機能性と意匠性を兼ね備えた鎖樋

ユーザー 三浦尚人建築設計工房 三浦尚人 の写真

屋根の軒先が出ている建築は住宅だけに限らず、寺社仏閣でもよく見かけます。
それらの多くは、外壁を雨や夏の強い日差しから守る役割りがあります。

そういう建築の軒先には、屋根からの雨水を受ける軒樋が横に付いており、その雨水を下に落とすための縦樋が付いている場合が多いです。
その縦樋の形状は、断面が丸かったり、四角かったりと筒状のものがほとんどですが、軒の出が大きかったり、意匠的にそのような縦樋が付けにくい場合に鎖樋(くさりとい)というものを付けることがあります。

よく寺社仏閣など和風建築などでよく見かけると思いますが、銅製で造られた花のような形だったり、ステンレス製のリングを繋げたようなものまで色々とあります。

しかし、銅製だとデザインが和風だったり、ステンレス製のリングだと目立ちませんが、大雨の時には、周囲に雨が飛び散ってしまい逆効果となったりします。

そんな中で、デザインも良くて機能性も兼ね備えた鎖樋は無いものかと探していたら、ありました。
円錐状のカップが連なった鎖樋で、耐久性のあるガルバリウム鋼板で出来ています。

これですとカップ状になっているため、大雨の際にも雨水が周囲に飛び散らずに下まで伝っていくので、機能的かつ意匠的にも優れています。

雨の日に上から雨水が下へ伝っていくのを、子供たちが興味深く見ている様子が印象的でした。