板倉工法

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 板倉工法という言葉はあまり聞いたことがないという方が多いと思います。伊勢神宮や正倉院でも使われているといいますから、昔から日本で作られてきた所謂伝統工法(筆者が伝統工法についてもこのサイトで記事を書いています)の一つです。柱に溝をつくり上から厚い板を落とし込んで壁としている建物で、木曽の農家の穀物倉庫などに多かったといいます。亡くなられた芸大の奥村昭雄教授の木曽三岳奥村設計所が思い出されます。これは板倉工法に屋根は板葺きに重しの石が乗っているという工房で、とても魅力的なものです。
 この工法を筑波大の安藤邦廣名誉教授が現代の住宅などに生かせるように規格化されたものを開発されました。
 在来軸組工法は筋交いという横の力に抵抗する部材を使いますが、板倉工法では厚い板が横の力に柱とともに全体で抵抗し、柔らかく変形して倒壊を防ぐという伝統工法の考え方を踏襲しています。奥村設計所のように板を内外むき出しで使うことはせずに外部を断熱材や外壁をこしらえて防火的にも満足のいくような構造にしています。詳しいことは日本板倉建築協会という団体がありホームページもありますので、ご関心のある方はご覧ください。また、先に述べた木曽三岳奥村設計所の建物も検索すれば、見つかるはずですので、こちらもご興味のある方は調べてください。
 このサイトでも矢田義典さんがご自身の設計された板倉工法の住宅についてインタビューを受けていらっしゃいますので、こちらもご参考にしてください。