◆「浴室」(バスルーム)について

ユーザー 有限会社滝下秀之建築アトリエ 滝下秀之 の写真

静岡市を拠点に設計活動をしています。
今回は、「浴室」(バスルーム)について、弊社設計事例をご紹介しながら解説していきます。
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住宅を設計するにあたり「日当たりと風通しの良さ」が全室、全箇所、パーフェクトになることは難しいものです。
通常は、例えば「LDK」,「和室」,「寝室」,「子供室」・・・・のように、お施主様と打合せをしながら優先順位をつけてゾーニングしていきます。

お施主様の特別な要望がない限り、たいていの住宅は浴室が北側又は西・東側になってしまいます。とかく北側に浴室がある場合、カビが生えやすいと言われています。
そこで私は条件の悪い位置でも「風通しの良い」・「一日のうちで一時間でも日が当たる」浴室になるよう心掛けています。

建築基準法上はマンションのユニットバスのように全く窓がなくても良いのですが、必ず浴室が外部に接するように設計します。
そこにできる限り大きな開口部を設置(ユニットバスの場合も同じ)し、通風と採光が最大限取れるようにします。その場合、隣家の窓の位置を確認して見えない位置、又は塀で目隠しをします。

隣家のどこからも見えないエリアにすることで、そこに「坪庭」を設け大きなサッシを付ければ、たとえ条件の悪い場所でも浴室が外部も含めて「開放的なくつろぎ空間」になるわけです。
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① 2階の中庭(ウッドデッキ)側に、大きな開口がある浴室

② 洗面・脱衣側はトーメイの強化ガラスで仕切っているのでとても開放的

③ 子供2人とお父さんが一緒に入ることができる浴室

④ 浴室の南側にバスコート兼物干し場がある

⑤ 洗面・脱衣も広々。シンプル

⑥ 北側の庭側に大きな4枚の引違いの開口がある浴室と洗面便所。
 北側隣地境界には目隠しスクリーンが付いている。

⑦南側に浴室を設置した例。ユニットバスでこのような大きな開口部を付けることで、星を見ながらバスタブにつかることができます。

⑨ 奥行きわずか80cmのバルコニーにウッドデッキを敷き、植栽を設置するだけでこんなに
明るく開放的な浴室になります。

⑩ 我家の浴室。天井が全面強化ガラス。美しい夜空を眺めながら入浴しています。雷雨の時の入浴はスリル満点で、ちょっと想定外でした。開放的で長年カビ知らずです。右側に露天風呂が見えます。

⑪ 浴室の隣には、狭いながらも露天風呂を設置。現在は、水風呂として使用しています。

⑫ 住宅の屋上に露天風呂を設置。空を独り占めできますよ。