地下ビルトインガレージを快適に
昭和の後半から平成の前半の頃はバブル経済により、都心の23区内などでも車を所有する世帯が多かったと思います。その当時は、車を所有するというステイタスから車庫を自宅に整備することは、アメリカンドリームの一端であったように感じます。残念ながら令和元年ではほとんどの世帯が時々のレンタカー利用か車利用無しのようです。
では「地下ビルトインガレージ」について、最近のメンテナンス状況を調べてみました。
近年のゲリラ豪雨では、雨水排水溝の排水処理が追い付かず路面に冠水し、道路面の雨水がガレージに流れ込むことがあります。もちろんガレージ入口には雨水排水用のグレーチングは設定されています。しかし敷地内地盤への雨水浸透となっており、到底ゲリラ豪雨の雨水流入には敵いません。よってガレージが水浸しになることが多くなってしまったとのことです。
まず対策の一つとして、入ってくる雨水の流入を防ぐことが挙げられます。
雨水流入防止として止水板を導入することがあります。ゲリラ豪雨の度合いによりますが、釜場を設置しポンプも併用することで、ガレージの車を大切に保管することが出来ることと思います。
次にガレージ内部の気温と湿度の調整を快適に行うことが考えられます。
道路面にシャッターがある場合には、通気と湿気を遮蔽してしまいます。シャッターが防火設備でない場合には、シャッターのスラットをパイプ式に変更すると自然風による通気を確保できます。もともとシャッターがついていない場合には、ガレージの奥まで通気が届くように機械式換気ファンを増設するとよいと思います。ガレージの構造がカルバートボックス式や現場打設コンクリート式の場合、構造躯体の一部にコア孔開けを行うことは、躯体内部の鉄筋を切除してしまう可能性があるため、出来るだけ避けたいことと思います。
ゲリラ豪雨対策と共に気温湿度の調整を行うことで、ガレージでの作業や車の保管が快適になることと思います。