災害に備える準備(公共施設編)

ユーザー 株式会社クレアール 井上英勝 の写真

今回は、公共施設における災害対策を考えてみたいと思います。
公共施設の場合には、不特定多数の皆様を対象とすることは常識です。
ユニバーサルデザインはもちろんですが、近年の対策はそれまで以上に複雑になってきています。

多言語への対応です。日本語や英語、中国語、韓国語の記載は一般的になってきましたが、ラテン語やイスラム語、ロシア語、フランス語、様々な言語を使う人々が日本の各所に来ています。翻訳機などを持ち出す施設もありますが、避難経路への表示、緊急時利用の機器など、緊急災害の時に翻訳などを行っている時間はありません。常日頃から、多言語での対応を心掛けておかなければなりません。
建築設計や工事におけるサイン表示に「ひと工夫」を必要とします。表示の文字のところに、イラストやマンガを取り入れることです。海外で日本の漫画はいち早く浸透しました。漫画特有の図柄・イラストに少しの言葉。これだけで深く浸透してきたのです。漫画を取り入れた案内表示を活用することで、多くの地球市民が安全に避難できる事と思います。

そしてパラリンピックを目前に控えた日本では、バリアフリーをより一層、深堀りしなければならないと考えます。床との段差や勾配などではなく、機械的な補助や補助装具を付帯した方の行動スタイルを認識することなど、もっともっと考えなければならないことばかりです。視覚障碍者や聴覚障碍者の方へは、ボランティアなどが介添えするなど、人としての温かさをもてなすことが求められているのではないでしょうか。

災害時には、だれもがみな被害者となり得ます。そんな時に少しでも弱者への心配り配慮を忘れないためにも、公共施設の建築が最善の対策を整えておくことが重要と思います。