中庭のある家の大雨対策

ユーザー 三浦尚人建築設計工房 三浦尚人 の写真

温暖化により、いわゆるゲリラ豪雨と呼ばれる大雨が降ることが多くなってきていると思います。

もちろん住宅本体も屋根や雨樋など大雨対策は必要ですが、中庭のある家(コートハウス)の場合には、中庭への対策も考えておかねばなりません。

中庭の大雨対策として2つ挙げられます。

一つは、プランによる対策です。

「中庭のある家」には大きく分けてL字型、コの字型、ロの字型のプランという3種類のタイプがあります。

このうち、L字型プランでは二方向が、コの字型プランでは一方向が開けているので、その方向に雨水を逃がすことが可能なので、大雨対策はそれほど難しくありません。

しかし、ロの字型プランでは四方が建物で囲まれているため、中庭に降った雨水を外へ逃がすルートを確保しなければなりません。

具体的には、降った雨水が確実に流れ落ちるよう緩やかな勾配を取って排水溝(グレーチングの蓋を上に載せると良い)を設けることです。

もちろん、排水溝に集まった雨水が流れ出るよう配管をあらかじめ埋め込んで外部の雨水管と接続しておく必要があります。

さらにロの字型プランでは、屋根の水下を中庭側に向けない(水上を中庭側にする)ようにして雨水が中庭に集まらないようにすることもプランでは重要です。

もう一つの対策は、中庭の床仕上げです。

中庭をタイルや石貼り、レンガ敷、モルタル塗りなどといった仕上げにした場合、雨水の逃げ道が少なくなるので、上記のロの字型プランのように雨水管も設けたほうが無難かもしれません。

一方、土壌や砂利敷といった浸透性のある仕上げであれば、L字型やコの字型プランの場合は雨水の逃げ道が確保されます。

モルタル仕上げ、土壌や砂利敷の上にウッドデッキを載せるケースでも対策方法は変わりません。