建築士と住宅デザイン

ユーザー エヌスペースデザイン室 佐藤 直子 の写真

建築士といっても、有資格者全般を示し、意匠設計のほか、構造、設備、施工と得意分野は様々。建築へのかかわり方はそれぞれ異なります。
今回のタイトル、住宅デザインというと、意匠設計者が主にかかわってきます。
アトリエ系と呼ばれる、小さな設計事務所では、デザインは重要です。
耐震や省エネなど当たり前の性能のほかに、差別化するためにはそこに力を入れるわけです。
様々な周辺環境や土地の個性を生かし、住まい手の要件を整理し、使い勝手や動線、居心地、家族の居場所や距離、生活など事細かに心を配り、そこに美しさを入れ込みます。
構造の美しさ、素材の美しさ、バランスの美しさ、そして造作家具に照明計画。
ノイズを消すための面倒な納まりだったり、シャープに見せるための細かな工夫だったり、
そういった部分は出来上がってみて、空間全体で人に伝わります。
間取りを見ただけでは到底通じないため、模型だの、パースだの、写真などで訴えるのですが、
なかなか出来上がるまで通じなくて歯がゆい思いをすることも。
アトリエ系設計事務所は紹介が多いのですが、
一見(いちげん)さんだと、はじめからは信用がないため、
うまく伝えられず徒労に終わってしまうこともあるためかなと思います。

奥の壁の裏はコートやカバンをかけられるようになっています。
いつも片付いて見えるすっきりした玄関です。