片流れ屋根の勾配

ユーザー 三浦尚人建築設計工房 三浦尚人 の写真

住宅において、屋根の形状と勾配はとても重要な部分です。 

片流れ屋根に限らず、切妻屋根、寄棟屋根など屋根全般に言えることは、瓦、コロニアル、ガルバリウム鋼板などといった屋根の仕上げ材により、最小勾配が決まっているため、このことも十分考慮に入れて設計を行う必要があります。 

その中で片流れ屋根は、片方向に屋根が傾いているため、水下の一方のみに軒樋を付ける必要が無くその分コストが下げられるというメリットがあります。 

しかし、片流れ屋根の場合、勾配によって建物全体のプロポーション(全体のかたち、見え方)やファサード(外観)が大きく異なり、特に2階建てになるとその違いが顕著に現れ、軒の出(有無)によっても建物全体の姿に大きな違いが出てきます。 

さらに法令上、片流れ屋根では小屋組みの有無で軒の高さが異なることも念頭に入れて設計する必要があります。ちなみに小屋組みとは、屋根を支える骨組み構造のことです。 

その理由は、住宅に最も適した地域(第一種住居専用、第二種住居専用など)では、軒高が7メートルを超えると日影規制が適用されるからです。 

以上のことから、私が片流れ屋根を採用する場合、屋根勾配は3寸から5寸が多く、2階建てより平屋建てが多いです。