屋外の鉄骨階段

ユーザー 三浦尚人建築設計工房 三浦尚人 の写真

屋外の鉄骨階段というと、ビルやマンションなどでよく見かける非常階段ではないでしょうか。 

また、住宅においても屋外の鉄骨階段は、2階に玄関がある場合や屋上へ出る場合のために設置されるケースが多いのではないでしょうか。 

私自身も住宅設計で屋外の鉄骨階段は、二世帯住宅で子世帯の玄関が二階の場合や2階バルコニーから屋上へ上がるために採用し、踏み板は滑りにくいスチール製のグレーチングやチェッカープレート(縞鋼板)をよく使います。 

ただし、鉄骨階段を屋外に設置する場合、錆(サビ)に気を付けなければいけません。
特に海に近いエリアでは、塩害に注意しなければいけません。 
これは鉄骨階段に限らず、鋼材を使った手摺など鉄部全て同様です。 

よく赤茶色のさび止め塗料を下地として塗り、その上に仕上げとしてペンキで塗装する方法もありますが、屋外では耐久性に劣るためほとんど行いません。 
そのため、鋼材をさびにくくするため溶融亜鉛メッキという処理を行うことが多いです。 

足場で使われる丸パイプや排水溝のフタ、交通標識の支柱などといった耐久性を要求される箇所でよく見かけます。 

この溶融亜鉛メッキはさび止めに優れていますが、現場での施工するのではなく専門の工場で高温の亜鉛槽と呼ばれる槽に浸して鋼材の表面に皮膜をつくるため、槽に浸せるサイズ(大きさ)が決まっているため、いくつかの部材(パーツ)に分割して皮膜処理を行います。
そして現場でこれらの部材をビスやボルトで組み立てていく工法です。 

しかし最近では、溶融亜鉛メッキに変わる常温亜鉛メッキ材という塗料が出てきました。 
この常温亜鉛メッキ材は防錆効果もあり、現場での施工(塗装)が可能なため、工期やコスト面でも優れています。
また、溶融亜鉛メッキ処理された鉄部でも上からの塗装が可能なので、今後の鉄部メンテナンスとしても有効ではないでしょうか。