資産価値のある家

ユーザー オープンサイト建築設計事務所 双木洋介 の写真

資産価値のある家、とても解釈が難しい言葉です。
日本では建物としての資産価値は時間の経過と共に下がっていきます。この不動産上の、もしくは税制上の仕組み自体どうなのかと疑っているのが正直なところで、「資産価値」と「建物としての本当の価値」が乖離している、もしくは本当の意味で価値のあるー例えばデザインが素晴らしく、耐久性もしっかりと作られ、設備も最新の物に交換可能なー建物が、築年数だけを判断基準に、資産価値が低いと見なされているのが現状です。

上記の状況はけして健全な状況ではありませんが、逆に考えれば、掘り出し物を見つけられる可能性があるとも言えます。

先日竣工したリノベーションの物件では、お客様が良いと思った目が確かで、フルリノベのために一旦スケルトンにした際に問題のある柱は数本でした。築50年のその物件は、基礎の補強をし、断熱性能もZEH基準までパワーアップさせ、間取りもフレキシブルに空間を使えるよう一体空間としました。おそらく今回の改修を経て、向こう50年は問題無く快適に住めるはずです。50年後、築100年を経過したこの住宅が「資産価値」としても高い評価を認められる状況になっていることを願っています。