灯りのデザイン

ユーザー ATS造家設計事務所 奥田 敦 の写真

住まいの照明計画、大事です。
適切な灯りのデザインは、夜の室内の奥行きを深くし、そして夜の時間を豊かにしてくれます。

均一に明るいだけの照明など要りません。
陰を意識した灯りにすることで、空間に夜の表情が宿ります。
陰翳礼讃です。

素敵な夜を過ごすために

1.  部屋のど真ん中の天井照明をやめること

建売住宅や賃貸マンションは、未だに天井の真ん中に照明器具を付けてるから、だめ。
光源もできれば2か所以上ほしい。
予算の都合で1部屋に1箇所だけなら、主照明を真ん中ではなく中心からずらすこと。
光が近くの壁に反射して結構明るいし、部屋に明暗ができて立体感も出てきます。
住まいは、事務所みたいに均一に明るくする必要などありません。

2.  あかりの重心を下げること

低い位置にあかりを置き、あかりの重心を下げると落ち着き感やくつろぎ感がアップします。
高い位置のあかりと組み合わせて高低差を付けると、空間の奥行き感を引き出せます。
あんどん的なフロアライトを後で置くのもいい。

3.  白色ではなく電球色にすること

照明の白色(蛍光灯のような昼光色)は、作業をする場所のみ。
住まいは、基本的にリラックスする空間なので、電球色がいい。
かつ、調光ができて明るさを落とせると、人はやすらぎを感じます。
ホテルの照明が暗くしてあるのは、客にくつろいでもらいたいため。
明るさが必要なところは、スポット照明かスタンドライトで対応すればいい。

ほかにもいろんなワザがありますが、とりあえずこの3つを押さえておけば大丈夫。
建築家を信じて、任せてみてください。

明るさが必要な高齢者や身体にハンディがある方も、灯りの希望を建築家に伝えてください。
あなたの思いをきちんとカタチにしてくれるでしょう。

天井に隙間を開けて壁を照らす照明。 天井が浮いているようで、軽く思えます。
天井を照らす間接照明