二段擁壁の対策

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二段擁壁とは、擁壁が二段に分かれて構築されている構造物を指します。このような構造は斜面の安定性を確保するためや、敷地利用の効率化を図るために設けられることが多いです。しかし、二段擁壁にはいくつかの課題や問題点が存在し、以前は役所では許可されませんでした。
しかし最近はアンカー工法では擁壁にアンカーを設置し、背面の土圧を効果的に分散させることで、擁壁の安定を向上させることが可能になりました。また補強鉄筋も擁壁内部に強鉄筋を追加し、構造の強度を向上させることも可能となりました。
また擁壁の背面に透水性の高い材料を使用し、水の排出を促進させたり、ドレーン工法といって擁壁の背面にドレーンを設置して、擁壁背面に溜まる水を効果的に排出し、土圧の増加を防ぐことも大事な視点です。
土圧の管理では擁壁背面に植生を導入し、表面浸食を防止するとともに、土の安定性を向上させことも可能です。
二段擁壁の対策は、現場の状況や擁壁の状態によって異なるため、専門家による詳細な調査と評価が必要でしょう。
一級建築士 南俊治