家の当たり前を考え直してみる⑥

ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

先日から、少し変わったお話。
よく考えてみると、家って、いろんな当たり前を
積み重ねてできているんですよね。

その当たり前を外してみると、自由な家づくりになる
なんてこともありますから。

昨日は、リビングという特定のスペースでなく、
いろんな使い方のできる多目的スペースでいいかも。
そんなお話でした。

ちなみに。
私は、リビングっていらないでしょう?
って強制しているわけでもなくて、なしにしてみたら、
どういう暮らしになるのかと問いかけている。
そんな感じです。

なので。
家づくりを考える時のヒントにしていただけたら
嬉しいです。

さてさて。今日は。
リビングでもう一点について考えてみようと思います。

家づくりのヒアリングをさせていただくと
要望として、よくお聞きすることがあります。

明るいリビングがいい!って。
そこからつながて、こんな要望も。
リビングに大きな窓があってたくさん光が入ってほしい。

そうなんです。

リビングには、大きな掃き出し窓があって、
そこから、テラス、そして庭へと展開していくそんなヴィジョンを夢見る方って多いはず。

でも。
ここで少し考えてみましょう。

すごく大きな敷地に家を建てるという場合なら、
相応な広さの庭が確保できますが。。

仮に、30坪くらいの敷地だとしたらどうでしょう。

北側、東側、西側に道路があるとして、
30坪くらいの家を建てようとしますよね。

駐車場を確保した残りで家を計画すると、
庭と呼べるほどの広さを確保できないと思います。

その時、リビングに大きな窓を設けたら。。
窓の少し先に、お隣さんの外壁があるかも。。

南道路ならいいんでしょう?って思いました?

もちろん。
南側に大きな窓を設ければ、他の方位に比べても
光は入ってくる可能性は高くなります。

ただし。
その窓のすぐ前が駐車場になってしまうかも。。
そうだとすると。。
大きな掃き出し窓から見えるのは車の背面ですよ。

だったら腰窓にする方がよいかもしれません。

南道路以外の場合は、そもそも大きな掃き出し窓
ではない方がよいでしょう。

なぜ、そんな話をするのかというと。。
建売住宅の計画案とか、別で検討されていた方の
計画案を拝見して、実はよくあることみたいなので。。

少し理屈っぽくなりましたが。。

リビングに大きな掃き出し窓がある。
そんな当たり前は、冷静に見極めて、採用した方が
よいかなと思います。