なぜ家づくりで迷うのか?注文住宅で後悔しないための判断基準と“正解探し”の落とし穴

住まいづくりのご相談を受ける中で、
近年、非常に多く
耳にする言葉があります。
SNSとかを沢山見ていたので、
先生のホームページにたどり着くまでに、
いろいろ見すぎて、
分からなくなってしまいました・・・・。
何が自分たちに合っているのか、
判断がつかないんです・・・・・。
これは、
特定の方だけの悩みではありません。
むしろ今の時代においては、
ごく自然に起こる「構造的な現象」
とも言えます。
本来、情報というものは
判断を助けるもののはずです。
しかし現実には、
その情報が増えれば増えるほど、
人は迷い、立ち止まり、
そして決断できなくなる。
しかもそれは一方的なもので
正解と不正解が混ざり合っていますし
不明確な内容も数多く存在します。
なぜ、このようなことが
起こるのでしょうか?
勿論、情報を出す側の「資質」というところが
一番大きいのですが、
今日はその本質を、
建築家の視点から紐解きながら、
やまぐち建築設計室が大切にしている
「迷わない家づくり」の考え方について、
少しブログに書いてみたいと思います。
情報が増えるほど、
判断は難しくなるという現実
今の時代、
家づくりを考え始めた瞬間から、
膨大な情報に触れることになります。
Instagramで流れてくる美しい住まい。
YouTubeで紹介される間取りの工夫。
Pinterestに並ぶ理想的なインテリア。
住宅会社の施工事例やランキング記事。
そこにあるのは、
どれも完成度の高い、
誰かの「理想像」です。
・開放的で光に満ちたリビング
・無駄のない洗練されたキッチン
・整然とした収納計画
・ホテルのような上質な空間
それらを見ていると、
自然とこう感じてしまいます。
「こういう家が良いのだろう」
「こうするのが正解なのだろう」と。
「こういうのが好き」
しかし、ここに一つの盲点があります。
それは・・・・・。
それらはすべて、
状況がわからない「誰かにとっての最適解」
であるということ。
あなたにとっての最適解とは、
限らないのです。
見えているのは「結果」であり、
理由ではないということ。
SNSや事例写真に映し出されているのは、
あくまで完成された「結果」です。
そこに至るまでの
価値観の透明度と「生い立ち」は
不明の状態です。
・なぜその間取りになったのか
・なぜその素材を選んだのか
・なぜその動線が必要だったのか
・どんな暮らし方を前提にしているのか
といった「理由」は、表面的には
書いてあるケースもありますが
家族の関係性や、育った環境、
さらにその「深部」に関しては
ほとんど語られていません。
つまり、
背景の分からない正解らしきものを、
無意識に集め続けている
状態にあるのです。
この状態が続くとどうなるか?
・良さそうなものを集める
・でも一貫性がない
・どれを優先すべきか分からない
結果として、
選択肢が増えたことで、選べなくなる
という現象が起こります。
迷いの正体は「情報不足」ではなく
「軸の不在」
多くの方は、
迷ったときにこう考えます。
・まだ情報が足りないのではないか
・もっと調べれば
答えが見つかるのではないか
ですが、実際には逆です。
家づくりにおける迷いの本質は、
情報不足ではなく、
判断基準の不在にあります。
判断基準がない状態で
情報を増やすと、
・比較対象が増え
・優劣がつけられず
・決断の難易度が上がる
そして最終的には、
なんとなく良さそうだから・・・・・。
という理由で決めてしまう。
これは、
後悔の種になりやすい選び方です。
家造りの本質を分かるほど「正解」を探さない理由
これまで多くのご相談を受けてきた中で、
ある共通点があります。
それは、
本質的な家づくりについて
認識している人ほど「正解探し」を
しないということです。
そういった方々は、
何を選ぶかではなく、何を基準に選ぶか?
という事柄を大切にしています。
つまり、
「答え」を探すのではなく、
「自分の価値基準」を
明確にしているのです。
だからこそ、
・無駄な比較をしない
・情報に振り回されない
・決断が早く、精度が高い
結果として、
長く満足できる住まいを手に入れています。
建築家の役割とは何か?
ここで、建築家の役割の一部について
少し触れておきます。
一般的には、
「おしゃれな間取りを提案する人」
「デザインを考える人」
「設計をする人」
というイメージを持たれることが多いですが、
やまぐち建築設計室では、
もう少し本質的な役割として捉えています。
それは・・・・、
思考を整理するパートナーであることです。
・言葉にならない違和感
・なんとなくの好み
・説明しきれない理想
そういった曖昧な感覚を、
一つひとつ丁寧に言語化して、
「何を大切にしたいのか」という軸を整えていく。
そのプロセスを経て初めて、
その人にとって最適解が見えてきます。
数寄屋と茶の湯が教えてくれる「引き算の美学」
日本の伝統建築、
とりわけ数寄屋建築や茶の湯の世界には、
現代の家づくりにも通じる
重要な考え方があります。
それが、
「満たしすぎない」という美意識です。
すべてを揃えるのではなく、
あえて余白を残すことで、
・想像が広がり
・感性が育ち
・時間が豊かに流れる
この思想は、
住まいにもそのまま当てはまります。
情報を詰め込みすぎた家は、
一見すると完成度が高く見えますが、
実際には生活するための「余裕がない空間」に
なりがちだと思います。
だからこそ、
何を入れるか以上に、
何を入れないかが重要になる。
これが引き算の設計です。
「問い」を持つことで、
家づくりは変わるという事。
やまぐち建築設計室では、
設計の前段階として、
いくつかの問いを大切にしています。
ごく一部ですが、
・どんな朝を迎えたいですか
・どんな時間に心地よさを感じますか
・どんな瞬間にストレスを感じますか
・どんな風景を日常に取り込みたいですか
・どんな未来を思い描いていますか
そして、最も重要な問いが、
「なぜ、それを望むのか」という問いです。
この問いに向き合うことで、
表面的な要望の奥にある、
本当の価値観が見えてきます。
家づくりとは、
「人生の基準」を整える行為。
住まいをつくるということは、
単に空間をつくることではありません。
これからの人生を
どう過ごすかを決めることでもあります。
どんな時間を大切にするのか。
どんな心地よさを求めるのか。
どんな日常を送りたいのか。
そのすべてが、
住まいに反映されていきます。
だからこそ、
正解を探すのではなく
基準を整えるということが大事になります。
この順序が、
とても大切になります。
○関連blog
間取りを描く前に考えておくべき、住まい手の人生と暮らしを整える家づくりの考え方
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail752.html
迷っているということの意味・・・。
もし今、
家づくりに迷われているなら、
それは決してネガティブな
状態ではありません。
むしろそれは、
自分たちにとっての最適な暮らしを、
真剣に考えている証です。
ただし、
その迷いを情報で埋めようとすると、
さらに深い迷いへと
繋がってしまいます。
必要なのは、
新しい情報ではなく、
基本となる思考の整理です。
なぜ家を建てるのですか?
どうして新しい暮らしの
環境づくりが必要なのですか?
やまぐち建築設計室では、
住まいを設計する前に、
「暮らしの軸」を整えることから
始めています。
心が豊かになる上質な住まいを
ご検討されている方へ。
「家族の最適解」の在り処を
見える化する時間を
丁寧に整えてみませんか?
そのことを少しだけ立ち止まって考えることが、
これからの暮らしを整える
第一歩になるのではないでしょうか。
○関連blog
家づくりの本質とは何か|価値観を整え、人生を見直す設計という付加価値
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail758.html
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奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
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