家事動線だけでは決められないことがあります。
家づくりのお話になると、
「家事動線を良くしたいです。」
というご希望をいただくことがよくあります。
毎日のことですから、
できるだけ無駄なく動ける家にしたい。
そう思われるのは、とても自然なことです。
私も、
家事動線は大切だと思っています。
でも、
設計をしていると、
家事動線だけでは決められないことが、たくさんあります。
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以前、ご相談いただいた奥様が、
「洗濯は、できるだけ短い動線にしたいんです。」
と話されていました。
洗う。
干す。
たたむ。
しまう。
その流れをできるだけ短くする。
図面だけを見れば、
とても理想的な動線です。
でも、お話を続けていると、
こんなことを教えてくださいました。
「休みの日は、洗濯をしながら庭を見る時間が好きなんです。」
その一言で、
設計の見え方が少し変わりました。
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家事は、
早く終わればいい。
もちろん、それも一つの考え方です。
でも、
毎日の暮らしの中には、
急がなくてもいい時間があります。
洗濯物を干しながら、
庭の木が揺れているのを見ること。
窓を開けて、
風を感じること。
そんな何気ない時間も、
暮らしの心地よさなのだと思います。
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家事動線を短くすることはできます。
でも、
暮らしまで短くしてしまわないように。
私は、
そんなことを考えながら設計しています。
効率だけを追いかけると、
毎日は便利になるかもしれません。
でも、
少し立ち止まる時間や、
季節を感じる時間までなくしてしまったら、
少し寂しいような気もします。
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家づくりでは、
「使いやすい家」を目指すことも大切です。
でも私は、
「暮らしやすい家」を目指したいと思っています。
その二つは、
似ているようで、
少し違います。
だから私は、
家事動線だけを見て、
設計を決めることはありません。
そのご家族にとって、どんな時間が心地よいのか。
その答えを探しながら、
一つひとつの間取りを考えています。