監理をする意味
人によっては、「図面の通り工務店に造ってもらえばいいのだから、図面があれば監理なんかいらないよ。」と言われる方もおられます。
一方、監理に理解を示されている方で、「手抜き工事をされないためにも、設計士に見てもらわなくてはならない。」と思われている方もおられます。
それは、強ち間違いではありませんが、監理というのは、そういう意味だけではないんです。
監理の大半を占める作業とは、図面のいろいろな個所を “どうしてこのように書いたか” を施工者に逐一説明することが一番多い作業と言えます。
それをしないとどうなるか?
職人さんは、理解できてないまま、図面とは違う自分達のやり方で造ってしまいます。全く、図面の意味がなくなってしまうのです。
では、分かりやすい詳細図を書いておけば、いいのではないかということにもなりますが、詳細図があっても、どうしてこのような納まりになっているのかは、その場面々々で一々説明していかないと、なかなか伝わらないし、理解してもらえなんものなです。もちろん、詳細図は、たくさん書きます。
更にある時には、別の納まりに変えた方がいい場合も出て来ますので、その辺りも再検討します。
サラっと設計していれば、こんなことまでする必要ないんですが、やはり、ちょっとでも、いいものを創りたいという思いからでしょうか、こんなことをしていかないとなりません、そのためには、当然の作業なんです。
例えると、料理のレシピを基に、それを作る人によって解釈の違いで全く別の料理になってしいますね。
料理のようにレシピ(設計図)を創った本人が創れば、考案した人の考えそのものの料理が出来ますが、建築は別の人、工務店が造ります。現場で逐一レシピを説明しなくてはならないのです。
何処をしっかり説明するかによって、出来上がりも違ってきます。
監理業務がどんなものか少しはお解かり頂けましたでしょうか。
遠藤浩建築設計事務所 遠藤 浩
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