床板の再利用

ユーザー アトリエ24一級建築士事務所 飯沼竹一 の写真

「匝瑳の家」では8畳の和室と床の間があります。
原設計では、とりあえず床框無しの赤松練り付け材を指定していました。
ただ無垢材にこだわる建築主と大工棟梁が、他の材料を探していました。

そこで、材木を支給している工務店社長から提案あり…
数年前に隣町で古民家を解体した時の床板を保管してるいるから、それを使うといい。
ケヤキの24mmの一枚板だけど無料で提供すると。
建築主と私は即決。大工棟梁はまた面倒な仕事が増えたと言いつつも嫌な顔ではない…(笑

実物が作業小屋に運ばれてきて見に行くと、傷や汚れがあるものの重厚な材料に驚きました。
ただ床框が黒檀で雰囲気が重すぎるので、この床框は使わなことにしました。

この後、表面を薄く削り、磨いてもらうと、もっと驚きが。
ケヤキではなく、トチ(栃)のようである。(サクラではなさそうです)
長年月使われてきて、表面が重みのある色になっていたようで、元の地の色が出てきてケヤキじゃなことに気がつきました。

トチだとして、幅が170cm奥行き80cmだから、どれだけの大木だったのだろうか!
裏面を見ると、手引きの鋸跡が年代ものを証明しています。

このトチの床板に新たに用意したケヤキの框を組み合せて納めることになりました。
このような縁でこの「匝瑳の家」で生まれ変わることになり、とっても嬉しく思います。
そして出来上がりが楽しみです。
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千葉、東京で住宅設計を行う建築設計事務所