眺望とお庭を楽しむ住まい 天理の家

●設計事例の所在地: 
奈良県天理市
●面積(坪): 
38
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

山のように連なった軒の深い屋根は,落ち着きのある佇まいを演出.
吉野檜の垂木の軒裏は半屋外空間のテラスとつながりながら,ぐるりと建物全体を包み込みます.
街区に対して適度に開放的なデザインをとりながらも,軒の深さや心理的な距離感によってプライバシーを程よく保つよう配置し,南と東にそれぞの特徴的なお庭を設けています.

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

敷地は分譲開発地2区画分.
東側に田園,遠くに山の稜線が望める恵まれたロケーションです.
軒の深い化粧垂木の連続した屋根が特徴的な住宅で,緩やかに境界を保ちつつ各空間がかさなり,遠景(山の稜線),中景(田園),近景(お庭)とつながりが感じられるよう計画しました.

家族の集うLDKは土壁中塗仕上で,東の景色をのぞみながら,半屋外空間の縁側を通し南のお庭も楽しめる場となっています.

その他の画像: 

山並みのように連なる屋根が印象的な外観

格子の引き違い戸の玄関は杉板張で仕上げ,上品な色の塗り壁にアクセントを添えています.玄関ポーチから繋がる丁寧に作庭されたお庭は生活に彩りを与えてくれます.
深い軒下空間には大きな開口を設置.
一部2階建てとなった大部分が平屋建てのこの住宅.高さも抑えたプロポーションや軒の水平なラインが安定感を感じさせます.

プライバシーが保たれた,家庭菜園+お庭のスペース.
朝日がよく入り,空を眺める高窓のあるゆったりとした土間空間とつながります.
外壁仕上げはこの面のみ焼き杉板を張り,正面外観とは違った印象となっています.
土間空間からも直接出入りでき,内外あわせて趣味を楽しむことができる場所となっています.

和室前のお庭から玄関をみる

玄関ポーチより続いて淡路の窯変タイルを敷き詰めた土間空間.東側のお庭と掃き出し窓を全開することで一体化するエントランス空間です.そこは単なる三和土ではなく多目的に使える半屋外空間のようなユニークな場所.無垢の梁にハンモックを下げてくつろぎや遊びの場にもなります.内部空間と続く大きな開口部には引き込みの雪見障子を設置し,開ければ土間空間を介して庭まで繋がる広がりを感じさせる心地良い住まいです.

土間玄関:お庭と家庭菜園と風景

薪ストーブのある暮らし
土間空間から見たところ.ワンルームに配置したLDKからは縁側のような軒下空間を介して南側の庭の風景も望めます.土壁中塗り仕上げの壁,ウッドデッキや見切も兼ねデザインとして見せている木の軸組など自然素材をふんだんに使用した空間です.リビングコーナーの奥には存在感のある薪ストーブを,心地良い暖かさと火のある暮らしを楽しめます.

リビングは一部吹抜とすることで開放感を与えると同時に上階と緩やかに繋がり,人の気配が感じられる場としています.屋根の構造がそのまま現れた天井は連続する吉野檜の垂木と板張りの仕上.木の香りに包み込こまれた温かみのある住空間を演出しています.LDKから土間空間そして東側のお庭越しに田園風景やさらに遠くの山々まで視線が抜ける広がりを感じさせる空間構成と周囲の恵まれた自然環境を室内に取り込んだ立地を最大現に生かしたデザインとしています.

引き分けの格子戸により仕切られたユーティリティーホール.
明るく風通しの良い室内干しスペースの横に作業机を設置,ミシンやアイロンかけなどできる場所でもあります.土壁仕上の家族の集う空間から一変し,格子戸より奥は天然乾燥材の吉野檜板張りとすることで,明るく気持ちの良い水廻り空間に仕上げています.

2階階段ホールには書斎コーナーを設置.それぞれの個室はコンパクトながらも,小屋裏空間が連続したような開放的な空間としています.タイコ張りの障子で仕切られた吹抜空間から1階の気配も感じられ,1階の落ち着いた色合いとはまた異なる,珪藻土仕上げの明るい色合いで統一されています.

設計者

ユーザー 小笠原建築研究室 小笠原香代 の写真
オフライン
Last seen: 5年 11ヶ月 前
登録日: 2014-03-18 14:20