堤の家(リノベーション)
なんとなくの雰囲気を伝え合う、個室とDKとの距離感。(撮影:西島善和)
どのくらいの規模の工事を行なえば、どのような空間が実現できるのかということがうまくイメージできていなかったため、何から手をつけたらいいのか、どのように進めていけばいいのか、ということのアドバイスを求められました。
予算に応じたプランニングの可能性を、模型やCG、素材サンプルなどの具体的な資料とともに提案させていただきました。リノベーション後の間取りや仕上がりのイメージが分かりやすかったことで、信頼して設計を任せてもらえたと思っています。
市街地に建つ、鉄骨造3階建の2階部分の全面リノベーション。両親が他界したことにより、夫婦2人用の生活空間を、女性3人が暮らすための“場所”へとつくり替えました。東西に細長い建物形状のほぼ中央に階段とエレベーターが位置していたため、みんなが集まるDKと和室を中央の縦動線からそれぞれ東西に振り分けるように配置し、さらにその奥の建物の両端に3人分の寝る場所(≒個室)を最小限に計画しています。DK・和室と個室との間は、家具や収納ユニットをルーズに配置するだけで、雰囲気や気配、物音などを感じながらも、お互いに視線だけは遮られているという関係です。フォトショップで円形のグラデーションをかけるように、みんなの場所から個人の場所へと、空間の質が徐々に変化していくことを意図しています。
みんなが集まる、DKの全景。(撮影:西島善和)
明るく落ち着いた雰囲気の、無垢のカバ材のフローリングとシナ合板の収納扉。(撮影:西島善和)
DK越しにワークスペースを見る。(撮影:西島善和)
DKと和室、個室を結ぶ、南側の通路。(撮影:西島善和)
通路脇の洗面コーナー。(撮影:西島善和)
白い壁とシナ合板、縁なし畳といった素材でシンプルに構成されたゲスト用の和室。(撮影:西島善和)
仏壇や飾り棚にあてられた、和室東側の白いボリューム。(撮影:西島善和)
3室分の収納とエアコンがまとめられた、和室西側のシナ合板のボリューム。(撮影:西島善和)
2つの個室を仕切る、ツインカーボのやわらかなパーティション。(撮影:西島善和)
収納と就寝のスペースで、最小限につくられた個室。(撮影:西島善和)