千鳥のいえ_土壁伝統構法のゲストハウス
竹小舞下地の土壁、無垢材、古材の梁と自然素材のみで造り上げた和のゲストハウスです。
海外からのゲストも迎えるため、和のゲストハウスをご希望でした。古民家移築再生も視野に入れて検討されていました。趣きのある佇まいの建物、ケミカルフリーの仕上げ材を使用しながらも、設備面や快適性は譲れない、防犯面も考慮して欲しいとのご希望でした。
有名な建築家でなくて構わない、話を良く聞いてくれ、自分たちのために設計を行ってくれる事。古民家に詳しく、古材などのネットワークを持っていた事。設えの相談に応じてくれた事。
民家移築も視野に入れられていたため、所属している団体の民家バンクを活用する事も検討しながら、最終的には一部の柱、梁などに古材を使用する事になりました。お客様がお好きな民家や和の設えなどを、一緒に拝見させていただきながら、最終インテリアまで一緒に選定させてもらっています。古民具なども使用したいとの事でしたので、設計段階で利用する古建具、床板の一部などもお客様と共に古材店で購入し、取入れています。
建材を一切使用しない設計だったため、断熱などもウールを使用し外部建具も木製建具を製作しています。開放感を出しつつ、セキュリティ面ではかなり配慮しました。また、夏場の日射遮蔽と冬場の日射取得が出来るよう、工夫してあります。
土壁のお陰と軒の出や風通しで、夏は本当に涼しく気持ち良い空間です。冬場は床暖房と日当りの関係で、思った程寒くなくぬくぬくしています。温泉を引いた浴室も気持ち良く、全体的に設えが映えています。思っていた以上の完成度に、当初考えていたよりも利用する事が多く、頻繁に足を運ぶ事になり、ここから東京の会社に出社する日もあります。
バルコニーに面した海を眺める広縁。
「千鳥のいえ」由来の千鳥を透かし掘りした手摺。施主の奥様がお好きなモチーフ。
ご主人の籠もり部屋
青森ひばを使用した浴室。源泉を引込んでいます。