banhaus

●設計事例の所在地: 
千葉県
●面積(坪): 
190㎡(57坪)
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

愛犬家の家族のための理想の住宅を模索しました。親子4人とラブラドール・レトリバーの「バン」が心地よく暮らしていくための家です。中庭ドッグランには水遊び場も!

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

以前は2階にお住まいだった建て主さん。階段の上り下りに難儀するのは人間だけではありません。また、大型犬特有の悩みもあります。散歩で彼らの満足のいくだけ体を動かしてあげることは大変だし、体を洗う時も小型犬のように洗い場に簡単に持ち上げることは出来ません。愛犬は可愛いけれど 餌やりにトイレの始末に床掃除などなど.....世話に追われるのはペットを飼う飼い主の共通の悩みではないでしょうか。

依頼者があなたに依頼した決め手: 

以前、私自身 同種の犬を飼っていたのですが 雑誌で理想の愛犬家住宅を考える企画があり、その時作った仮想のプランを見た建て主さんに声を掛けていただきました。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

プランは中庭を中心に居室を配した平屋です。バンを散歩に連れて行けない時など体力を余しがちな時でも中庭がドッグランとなります。また、近年の夏場の暑さは人にとっても犬にとっても過酷であり、もはや窓を開けて風鈴をぶら下げたくらいでは涼を味わうことはできません。ペットを飼っていなくともエアコンは欠かせないものとなってしまいました。この計画では中庭にプールを設けています。水猟犬のルーツをもつラブラドールにとってはプールは最高の遊び場。日差しの強い時でも子供たちと水遊びをし大きな軒下で涼むことができます。この他にも大型犬でも楽に洗えるケアルーム、毎日の散歩に配慮したガレージ、人と犬とのゾーニング、キズ・汚れに強い仕上げなど 一つ一つ考察を重ねながらアイデアを散りばめました。愛犬と心地よく暮らしていくためには犬達のアメニティーを考える以上に飼い主の負担を減らすことが重要だと思います。世話の負担が減り、犬との暮らしを飼い主が楽しむようになれば、それこそ犬達にとっての幸せとなるでしょう。

依頼者の声: 

真夏に中庭のプールで遊び疲れて甲羅干しをするバン君を見る限り、犬的には居心地の良い家を作れたようです。建て主さんには この前「中庭に日よけタープで屋根付けて火を焚けば冬でも楽しめるのでは....」と聞かれて、危ないんで止めてください....と言ったばかりです。なにはともあれ 家を楽しんでいただけているようです。

その他の画像: 

庭側から望む/ 中央の階段から中庭へ入ることができます。

愛犬バン(ラブラドール・レトリバー♂)/ 彼と家族が心地よく暮らしていけるような理想の愛犬家住宅がテーマです。

中庭と外庭を繋ぐ通路/ 中庭から建てもの全体に風を運ぶ通路です。また、雨天には洗濯もの干し場に、暑い夏場には日影で涼を得ることができます。格子門扉で閉ざすこともできバンの出入りをコントロールできます。

中庭はこの住宅の中心。中庭を介して家族の気配が感じられます。そして、もう一つの役割、それがドッグランです。門扉を閉じれば 目を離していてもノンリードで遊ばせておくことが出来ます。また、犬達にとって夏は厳しい季節。ペットのためだけにエアコンを点けている家庭も少なくないでしょう。ラブラドールは一般的に水遊びが好きな犬種で、水猟犬のルーツを持ち 泳ぎも得意(個体差あり注意)。この中庭ではぞんぶんに水遊びを楽しめるようにしました。暑い夏でもポジティブに過ごせます。オフシーズンはデッキのフタがされ広々使うことができます。

エントランスホール/ 床のタイルはペット対応品。滑りづらく汚れにも強い床材です。階段を上がると中庭回廊に至ります。

エントランスに隣接するドッグケアルーム/ 導線を工夫して散歩などで汚れて帰ってきても土足ゾーンから入り 上履きゾーンへ出られるようにしました。大型犬の体を洗うことは飼い主にとって大きな負担です。体重がある大型犬を 洗い場へ持ち上げる動作を解消するために 飼い主が低いフロアへ降りるようにしてあります。また、大量の毛の掃除に配慮したヘアキャッチー排水も設けられています。

リビングよりエントランス方向を望む/ 右手が中庭です。これに対しリビングはフロアを1段下げスキップしており天井の高さを大きく確保しています。バンは階段代わりにソファーを使います。床材は傷に強いチーク材のフローリングを加工して滑りづらくしています。仕上は植物オイル仕上げですが汚れに対する強度の強いものを実験して選びました。

キッチン/ 右側は全て造りつけ収納。引出は収納する食器ごとに高さを設計しています。バンがキッチンに入ってほしくない時のためにゾーニング出来る扉を設けています。この扉、使わない時はスッキリと壁にはめ込まれ消えてしまいます。

主寝室

設計者

ユーザー ジャムズ 一級建築士事務所 仲條 雪 の写真
オフライン
Last seen: 2年 2ヶ月 前
登録日: 2015-12-02 14:41