中庭で佇む家(光と風そしてみどりに溢れた家)
北面道路よりアプローチ玄関を見た全景です。建物は木造平屋建てで大きな中庭を中心としたロの字型は配置とし、外部面に対しては内部のプライバシー確保のため大きな開口はとっていません。緩勾配の大屋根と漆喰塗と米杉板の外壁で構成した落ち着きのあるデザインでまとめています。
要望として ①平屋建てで室内はオールバリアフリー ②家の中はどこも自然光の入る明るい家 ③車庫はビルトインもしくは居住部から雨にぬれず利用できること ④木々草花のみどりを感じとれること ⑤自然素材を積極的に取り入れること 等など
この設計の2年前に縁がありまして、施主の経営する菓子工場に新たな菓子店舗増設の設計監理を依頼を受け、デザインや仕事ぶりを大変気に入っていただきましたところ、家の立て直しのお話があり『住宅も設計されるのですか?』の問いかけに『いろんなものを大小にかかわらず設計していますが、私にとって住宅設計は原点であり大切にしています』の会話から始まり『せっかく立てるのであれば来客も多いことだし感動を与え、且つ優しさを備えかねた家づくりをお願いします』と言われ依頼を頂きました。
敷地は田園住宅地で135坪の平坦地です。60代のご夫婦二人住まいですが、ご友人等の来客が多いため接客のパブリックゾーンと生活のプライベートゾーンの区分をはっきりすること、室内動線を明快で長くならないことの要望に対して、大きな中庭を中心とした回廊方式とすることで、家のどこにいながらも明るく緑あふれた室内環境が提案できた。
『せっかく立てるのであれば来客も多いことだし感動を与え、且つ優しさを備えかねた家づくりをお願いします』から始まり、設計に入り『こんな細かなところまで気を使ってもらって助かりました』、監理では仕上げ材の色決めでには必ず施主の好みを引き出し設計意図と合致させるための調整をおこなうと『色決めって楽しいですね』等など。新居に入れる家具を一緒に見に行くとコーディネートのアドバイスに対して『やっぱりいいですね。奮発しちゃいます』と楽しげにおっしゃっていただきました。
パブリックゾーンのリビングは北向きだからできる中庭に面した大開口越しに心地よい空間となりました。
家づくりの中心的になった中庭。外からの視線も全く気にせずリラックスできる空間になりました。
中庭の北面に対し道路面の南側はあえて大きな開口ではなく外からの視線も気にしなくて良い少し高めに設置したサッシから程よい陽光が差し込んでいます。
プライベートゾーンの寝室は中庭を通し視線をつなぎ、陽光あふれる心地よい空間になりました。
リビングゾーンに繋がる和室です。ここには別の坪庭を和風にこしらえ落ち着きのある和風モダンにまとめています。
メインである中庭を別の角度で見ています。
完成予想の建築模型です。設計の段階でこのような模型をとおし、図面だけではわかりにくいデザインを施主に説明をしています。実際には見えませんが空から見た全体形が確認できると思います。