Magione Felice 下荒田
ファサード夜景…本物件は監理が別事務所となりましたので、竪樋やディテール等が設計図面より変更されています。特に、今後のメンテナンスに影響する機能性を伴わない変更については心配しております。
施主は賃貸物件を扱う不動産業者で、今後の事業安定の為に収益事業物件としての設計を依頼されました。
『ローコスト・ハイクオリティーな建築の実績とデザインのセンス、建築に対する知識・智慧・情報に卓越している事で設計を依頼されました。また、設計者の創りたい建築の押し売りでなく、上記のセンス、知識、智慧、情報を長所・短所を提示させて頂き、最終的には建築主に選定して頂く業務の進め方についても共感して頂きました。』
『長期にわたり収益が可能な物件となり、反面、イニシャルコストとしての設計監理費・工事費は周囲の相場よりもそれぞれ、設計監理費は通常の半分とし、工事費は10万円/以上安くする必要がありました。一般的には相反する要望を設計で解決する為に、一つ一つの材料や労務の数量を極限までチェックや改善を行ない、また、レンタブル比を高めています。』
全タイプ1LDKで、合計12戸(3戸/階×4階)の小規模賃貸住宅です。
『ローコストな工事予算と格安な設計報酬な依頼物件に対して、収益物件として魅力のある、かつ、メンテナンスのし易い設計をして頂き感謝しております。借り入れの都合で他社案からコストダウンをする為に設計を依頼したのに、その案より仕上材料のグレードアップや、建築物【1階部分(FL)】の高さを高くしたり、使い勝手の良い家賃のアップできる住戸への設計を実現して頂きました。』
ファサード…設計時はダークグレイのタイル張りを希望なさっていましたが、監理時に外壁だけ変更したようです。
(エントランス扉がダークグレイに合わせた色調のままとなっている)
背面全体…監理時での詳細のディテール変更が随所にあります。
Aタイプ住戸のLD…出窓と対面式キッチンカウンター付です。
Aタイプ住戸のパウダールーム…ガス式衣類乾燥機付きです。洗面化粧台は特注となるW500でなく、汎用タイプのW600として、ランニングコストを下げる設計としています。
Cタイプ住戸の浴室…賃貸では珍しい窓付きの浴室としました。
Cタイプ住戸のLD…LDは各タイプとも2面採光となっています。奥に見えるキッチンは設計では対面カウンター式でしたが設計変更して独立式となっています。
Cタイプ住戸のキッチン…設計では対面カウンター式のキッチンでしたが設計変更して独立キッチンとなっています。
各タイプの寝室…狭い寝室ながらも、各寝室にはクローゼットがあり、使い勝手よくしています。
Bタイプ住戸の玄関・廊下(ホール)…右側はキッチン、左側は洗面脱衣となります。各タイプとも洗面脱衣を経由して浴室、便所に入ります。
1階共用廊下…エントランスの扉は非常時開放型開戸付自動扉(オートロック)郵便受けは外部入内部出式としてセキュリティーを高めています。
1階レベルを上げているのも防犯上の配慮です。右側手前に非常時使用の屋外階段、右側奥にエレベーター、左側&奥に住戸があります。
収益性を高める為に共用部分は必要最小限の広さとしています。