紅花居~百日紅と桜並木に囲まれた木箱の家
百日紅と桜並木に囲まれた木箱の家です。
敷地は閑静な住宅団地のバス通りに面する角地。
外観は緩やかな片流れの屋根と木板張りの外壁で簡素な木箱のようにデザインしました。
手摺、格子、軒裏、テラスの床などすべてを外壁と同材で作りました。
敷地を購入する際、建物が建てられる範囲が狭いことに悩んでいました。
それに対し私達のご提案は、建物の大きなテラス部分を擁壁から片持ちで出すことでした。
リビングと一体になったテラスによって広がりが生まれるプランに満足されました。
コミュニケーションの質が高く、思っていることを何でも伝えられることが良かったようです。
依頼者のご夫妻は、今まで慣れ親しんだ畳の生活を好まれました。またそれが一番の要望でした。
そして今まで通りに簡素で落ち着きのある生活を望まれていました。
将来の暮らし方、特にお母様との同居やお子様の部屋を想定したプランは、間仕切りを最小限に設置する回遊性のあるものとなりました。
「我が家のサルスベリはたくさんの花を咲かせ、山からはセミの大合唱が聞こえ、この家で迎える初めての夏を楽しんでいます。引っ越しをして半年が過ぎようとしていますが、これからもこの家とともに、生活の中の小さな喜びをひとつひとつ大切にしながら、過ごしてゆきたいと思います。」
全面通りは、県有数の桜並木の名所で、春の借景が期待できました。
建物のグランドレベルは、道路より2.5m程高いコンクリートの基壇の上。
これが好都合で居間の窓は、大きなピクチャーウインドウの役割となりました。
庭には、夏に赤い花が咲くサルスベリを植えています。
大きなテラスは、すべて同素材の木に包まれる空間。
春は満開の桜、夏は桜の新緑と庭に植えた百日紅や紫陽花の花が楽しめます。
天気の良い日はテーブルを出してランチを楽しんでいるとおしゃっていました。
外構は街の延長と考え、駐車スペースに枕木を敷いたり、建物周辺に植栽を植えています。
1階は廊下をなくし、20畳程の一つの大きな空間としました。
水回り以外の床はすべて畳とし、空間に奥行きと広がりを持たせました。
家中を素足で生活するという昔ながらの健康的で清楚な空間となっています。
中央にある吹き抜けと階段は、どこにいても家族の気配を感じることができます。
テラスの軒は、夏至の日差しを遮り、冬至の日差しが部屋の奥まで届くように深さを
調整しました。
自然換気の取り方は、居間の大きな窓から入った風が煙突効果により、中央吹き抜けから
トップライトに抜けるように計画しています。