コンクリートと木造の混合構造の家
一階は店舗で二階自宅になっています。傾斜地でもあった為基礎をしっかりさせるためにも、一階はコンクリート構造にしました。道路側から見た外観の写真です。
出来上がるまでの詳しい写真はこちらのホームページにあります。
http://www.tok2.com/home2/atoriebakukentiku/index7.html
傾斜地でもあるのでどんな形状にするべきか迷っておられた。
奥さんが手仕事をする人なので、その作品を展示即売するスペースが欲しい。
主婦なので住居は二階にして欲しい。
現在盛んに展示会が続けられているようです。
こちらはこのお宅のページです。
http://www.unno-juku.jp/sightseeing/47
当事建築雑誌に我が事務所が紹介されていて、さらに事務所のホームページを見られて、「らいてうの家」の紹介記事に信頼を寄せてくださったようでした。
ご夫婦とも手作りの好きな方です。
お店の家具もご主人の手作りです。
土地が傾斜地であったため、又一階を店舗にするという希望をかなえるため、一階はコンクリート構造とし、2階は純木造としました。
内装は出来るだけ木をふんだんに使い暖かな空間としました。
2004年7月私の家づくり活動が始まりました。当時は仕事で韓国の企業に勤務し韓国に住んでいましたが、1、2年以内に長野で家を新築したいと思いました。しかし長野には建築家の知り合いもなく途方にくれていたのですが、たまたま長野県上田市で立ち寄った書店で立ち読みした「住まいnet信州」という雑誌に載っていたアトリエ獏・服部弥重子さんの紹介記事を見つけて「設計をお願いするならこの方しかいない」と感じたのです。
それからすぐにメールで設計をお引き受け頂けないか問い合わせし、翌月にはアトリエ獏を訪問して正式に依頼しました。今考えるとあつかましく強引なお願いにもかかわらず快くお引き受け頂けたことに今更ながら感謝しています。
当時の構想としては1階を店舗、2階を住居とした店舗併用2階建て住宅を立てたいと思い、間取りなどをあれこれ考えていました。
こちらの要望をメールで服部さんに伝え、検討して頂いた案のスケッチをメールに添付して返信頂くこの繰り返しを何度も行って、いよいよ図面となって形が見えてきたのは翌2005年の春頃でした。その後も予期せぬトラブルや予算との兼ね合いでたびたび変更しながらも
10月ついに着工の運びとなったのでした。
この家は他の一般的な家とかなり異なる点がいくつかあります。一つは敷地が平坦地ではなく傾斜してかつ段差がある起伏地であることです。
しかし服部さんはこの地形を活かして建物の基礎と段差部に必要な擁壁部分を一体化する構造で更に基礎部分を高く立ち上げて一階の壁とする巧妙な案を提案されたのです。この方法は必然的に1階はコンクリート造りとなるので予算的には厳しかったのですが、おかげで非常に頑丈な上、外壁の仕上げを省略してコンクリート打ちっ放しとしたことが返って店舗らしい外観になりました。これには伏線があって、着工前に服部
さんが設計された店舗などを案内して頂いた際に外観がコンクリート打ちっ放しの店舗を見せて頂き良い印象を得ていたことも幸いしました。
2階はコンクリート造り1階の上に木造平屋が載った形で特に変わった点はありませんが、リビングの天井を吹き抜けとし高さを最大限高くして頂きました。 私は音響技術者なので以前は家を建てるなら良い音がするように音響的な配慮をした部屋を作りたいと思っていましたが、いざ実際に建てるとなると生活空間としての快適さが優先されるため、音響的にはほとんど配慮できませんでした。しかし唯一天井高さを高くできたことで結果的に快適な音響空間になっています。
そして翌年2006年3月に待望の竣工、引渡し、引っ越しの運びとなりました。引っ越し日が決まっていたので工事の終盤は突貫作業になったとのことでした。工務店、工事関係者の皆様にご苦労頂いたこととチームワークを引き出して頂いた服部さんには本当に感謝しています。
2016年現在、10年経過しましたのでそれなりの経年変化はあるものの大きな問題はなく変わらず快適に過ごせています。これからも自分でできるところは自分でメンテナンスを行いながら長く大切にしていきたいと思っています。
この写真はご自宅の居間部分の内装です。
吹き抜け空間が狭いながら広々した気分になれます。
又ご主人の音楽を楽しむための音響効果にも良い空間になりました。
奥様が喫茶店をしながら手作り作業をするという趣旨で、一階は店舗です。
外の景色を見ながらの喫茶タイムも楽しめます。
奥様の作品の展示コーナーです。
階段室も明るく光がたっぷり入ります。
居間のトップは夏の暑い空気が出ていく窓があり換気が充分されます。