新山の家
階段吹抜けから広間を見下ろす.竿縁天井が2階へかけ上がっている
山裾の小高い場所に建つ住まい。元々、ここにはお寺の隠居所がありました。その茅葺の控えめな建物は、里山と調和した佇まいや隣のお寺の堂宇との関係がとても好ましいものに思えました。そこで建て替える建物もその「好ましさ」を受け継ぐことにしました。設計のポイントは三つ。控えめで穏やかな佇まいとなるように、地形に馴染ませてコンパクト(に見えるよう)に造ること。加えて外に生活感が出過ぎないような工夫をすること。また、切妻屋根のボリュームを内部空間に素直に反映させること。そうすることで、簡素でありながら豊かな、この地に相応しい住まいが出来ると考えたからです。
南側遠景.お寺の参道を行く人からは平屋の建物に見える
南西側のアプローチから見る.切妻大屋根に白壁が特徴の外観.格子の向こうは駐車スペースとバックヤード. 物干し場は建物の東に配置して生活感が表に出過ぎないようにした
広間.リビングダイニングは吹抜けのワンルーム.建て主さんが探してきた北欧ビンテージ家具のイスとテーブルがしっとりと落ち着いた雰囲気をだしている.テラス窓の向こうはデッキテラス
リビングからダイニング、玄関方向を見返す.広間の南はベンチの付いた出窓になっている.内外に適当な距離感をつけるためと内部を広く使うために、あえてこのような窓辺をつくった
広間の出窓の向こうには山裾の景色が広がる.窓の上は天袋収納、ベンチ下はパネルヒーターや小物収納になっている
リビング背後の小さな書斎.後方は寝室に続いている.書棚やカウンターデスクは造り付け
寝室.右手の出入り口は物干し場になるデッキテラスへ続く.断熱性とプライバシーを高めるため、窓には障子をたて込んだ
2階ホールから和室を見る
アプローチ夕景
模型(基本設計時)