平野医院~千葉県柏市の医院。サンブスギなど天然木を多用した居心地のよいクリニック~
医療法人社団清風会 平野医院の外観。ファサードの特徴をつくるサンブスギの外壁やいくつもの大きい庇により、周辺と調和のとれた外観の医院建築
平野医院様は千葉県柏市の南柏地域で60年間地域に根差したかかりつけ医であり、その建て替え計画を依頼されました。建築全体のイメージとしては病院らしくない建築を依頼されました。それは、清潔感はあるが冷たい雰囲気の空間や全面ガラス張りで親しみを感じにくいものではなく、この地域に根差した雰囲気の建築にしたいとの要望でした。また、温熱環境も含めて患者の居心地を大切にしてほしいとも強く要望されました。
過去に診療の設計経験があったことと、以前設計した診療所が、地域産の木材を使用した温かみのある診療所でありそのような医院を建てたいとのご要望と一致したことです。
物の形を周辺の住宅のスケールに合わせた形状としながら、地元千葉県産のサンブスギを外壁材として採用しており、地域の材料を使いながら周辺環境を捉えた建築としました。杉板や松などの木材は内部空間でも積極的に採用して、医院に必要な清潔さと患者の居心地の良さが共存した診療空間をつくりました。また西向きの敷地形状の為、付加断熱を採用し夏冬ともに快適な温熱環境となっていることは患者の皆さんにも好評いただいています。
ライトアップされた夜景。周辺の景観形成にも寄与している。
受付。効果的に使われた国産の杉板の内装と柔らかい自然光が空間をつくっている。
待合。空間の形は屋根の形に影響をうけており、多くの屋根達が診療所内の空間を個性的なものにしている。
中待合。多くの患者に待ち時間のストレスを軽減する効果もある中待合を設けた。西に面しているため高天井のハイサイド窓から柔らかい自然光が入る様にしてあり、すぐれた温熱環境で居心地のよい場所となっている。