余白のある家
北海道札幌市で設計した住宅です。
小さな家でありながら、中庭や吹抜を活用し空間に広がりをもたせています。
依頼者から「三角屋根の家」、「明るい家」、「プライバシーの確保」を主な要望として頂きました。
依頼者の一番の要望であった「三角屋根の家」を最も満たす提案だった点を評価して頂きました。
札幌市豊平区に建つ、30代ご夫婦と子供2人の4人家族のための住宅です。 敷地は閑静な住宅街。周辺には教育施設や郷土資料館のある、地区の中心として栄えた歴史のある地域です。ご家族は街の落ち着いた雰囲気と 、子育て環境の充実、南面接道で日当たりの良いこの土地の購入を決めました。
要望は「三角屋根の家」「明るい家」「プライバシーの確保」の3つです。
「三角屋根の家」を実現させるため、前面道路に向かって妻面が見える、切妻屋根を採用しました。また、豪雪地帯である北海道にとって落雪は大きな問題となるため、無落雪屋根としています。
「明るい家」を実現させるため、建物形状を東西に長い形とし、日当たりの良い南面がより多くなる計画としています。そうする事で玄関、LDK、寝室など主要な室を全て南面に配置することが可能となり、各主要室に十分な採光をとる事ができます。
「プライバシーの確保」を実現させるため、建物の中心に小さな「余白」のような空間を計画しました。敷地南面にある前面道路は比較的人通りがあり、南面に大きな開口を設けると十分な採光をとる事ができる一方、プライバシーの確保が難しくなります。そこで、LDKに設けるメインの開口と前面道路との間に、プライバシーの緩衝空間として「余白」のような空間を配置する事で距離が生まれ、快適な生活を送る事ができます。また、この空間を介して、玄関、LDK、吹抜を結ぶ事で、実際の面積以上に空間を広く感じることができ、開放感を得られるよう設計しています。 この空間は用途のない「余白」のような空間のため、時に趣味のスペースになったり、子供の遊び場になったり、家族で食事をとることもできます。それらの行為が、少しだけ家の外まで溢れでて、家の表情は日々変化していきます。
閉鎖的で完成時が一番良い建築ではなく、長い年月をかけ、少しずつ自分たちらしい素敵な住宅に変化していく。
そんな住宅を目指しました。
依頼者は当初、希望である「三角屋根の家」をハウスメーカーで実現させようとマイホーム計画を進めていました。
しかし、どのハウスメーカーも自分たちの希望する建物を実現させることが難しいとわかり、三角屋根で実績のあった弊社に設計依頼をして頂きました。
完成後は希望していた三角屋根を実現することができ、また、中庭や吹抜を有効活用した広がりのある空間構成に大変満足していただいております。
住宅完成後も、お子様の誕生会などに呼んで頂き、ご家族が幸せそうに暮らしている様子を拝見すると、こちらも嬉しい限りです。
リビングからキッチンを見る。
渡り廊下を見る。
ダイニングを見る。
渡り廊下からリビングを見下ろす。
リビングを見る。
外観を見る。夜景。