2階リビング土壁の家
1階玄関周りは木摺りに漆喰塗り仕上げ、それ以外は杉板をスノコ状に張っています。柱・梁の間に土壁を塗り、その外側に木繊維の断熱材を充填しています。その上にソリテックスフロンタという紫外線に強い防水シートを張って、板壁をスノコ状に張ることを可能にしています。壁内に密閉された空隙がないので内部結露などの心配がありません。
要望を上手く形にしてくれた。思いもよらない提案があった。説明が分かりやすかった。コストの監理がきちんとしてくれると思った。
長く親しまれている桜並木を目の前に見る2階リビングの家です。
大工の手刻みによる構造、木舞下地土壁による伝統構法フルスペックです。
木繊維の断熱材を付加し、杉板をスノコ張りしたルーバーによる繊細で現代的な外観を作り出します。
玄関周りは漆喰塗り。下地は木摺りの上に砂漆喰、中塗り土で作っています。ボード材の類は使っていません。
桜並木側バルコニーに面して大きな開口をもつリビング。 キッチンを敢えて明るいバルコニーに面して配置しています。 ゴミの仮置きなどユーティリティーにも優れています。
収納背面の壁は土壁。土も耐力要素として効いているので棚の背面も塗り込んでいます。 「中塗り」とは本来は下地ですが、仕上げとして遜色ないものに仕上げています。 せっかくの土壁なので、しばらくは土の感触を楽しみたいこと、お子さんが小さいので傷んできたら将来的に漆喰で仕上げることを考えました。
明るいオープンキッチン。戸棚は違和感が内容に造付けにしました。 カウンターの壁は「新大津磨き」という石灰と土を混ぜた左官仕上げです。写真ではわかりづらいですが、あまりに平らに輝いているので、「これはなんというボードですか?」と言われるくらいです。
2階リビングにした理由の一つが、南北に長い敷地の南側が隣家で塞がれていることです。 桜並木に面した南東側の窓だけでは日当たりが充分ではないので、リビング奥の南西側に高窓を設けています。 夏の直射は遮り、冬は午後の日差しが直接入って土壁に蓄熱するように、3DCADを使ってシュミレーションしました。
ローコストなシステムキッチンを大工造作に組み込んで、木組みの家と調和させています。
二部屋に分割できる子供部屋の一つ。 お子さんはまだ小さいのですが、棚やクローゼットを予め造付けました。 天井は2階の床下地となっている杉の厚板をそのまま見せているので、階高は普通より低いのにもかかわらず天井は2.5m程度と高くなっています。
玄関土間は御影石ビシャン仕上げ、ドアは木製の引き戸です。 カウンター下にレインコートなどを下げるパイプを取り付けています。
ヒノキ無垢の階段板を上部の桁から吊り下げています。 下に見える横格子の中に床下吹き用のエアコンが収納されています。
リビングがある2階は開放的に、個室がある1階は風通しと採光とプライバシーをバランスさせました。 前庭は植栽をして「雑木の庭」となります。