皆生の家

●設計事例の所在地: 
鳥取県米子市
●面積(坪): 
179㎡
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

建物外観

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

山口県防府市の中心部から北へ少し行った佐波川の支流沿いにこの建物は誕生した。
 山の稜線の麓にポツリポツリと集落を残す市街化調整区域内の敷地の読み解きから計画は始まった。道路沿いの敷地の奥には御両親の住む住居が存在し、道路向こうは川土手の緑が印象的であった。本来であれば内部空間を存分に開放し、この大自然を惜しみなく取り入れる計画を第一とする事も考えられたが、奥の御両親の住居が存在することで、敷地南側が通路兼駐車スペースとして必要であり、さらに北側にも御両親の住居の出入口があり、生活動線となっており、内部空間を開放する事で逆にプライバシーの無い落ち着かない生活空間になる恐れがあった。この敷地内動線の「中州」のエリアにいかに近隣との距離をとり、心地よい施主の住処を築くかがテーマであった。
 この建物は、素材の選択・断面構成による手法で空間に方向性を持たせ、視線を直線的に開放することで、視覚的に空間が拡張していき、かすかな自然の気配をまるで自然のど真ん中にいるイメージに増幅してくれる。そもそもこの敷地は立派な庭園や、果樹園に見守られ、それをお借りしない手はなかった。格子壁によって程よく外部との関係を遮る事でプライバシーを確保し、内部空間に自然の恩恵を最大限取り入れている。
 また、周辺環境への配慮として、集落への新しい活力、新鮮さは勿論のこと、清潔感や穏やかさ、施主の落ち着いた雰囲気が建物から漂い、建物と共に家族も周囲から愛されるように願いデザインを施した。道路から見る建物の隙間からは周りの緑も程よく抜けて見え、家族の生活を豊かに彩ってくれる。
 これからも周囲に温かく包まれながら幸せな暮らしを紡いでいくことを願い・・・。

「借景の家」ここに誕生。

その他の画像: 

設計者

ユーザー C&C DESIGN ARCHITECT 千原康弘 の写真
オフライン
Last seen: 5年 4ヶ月 前
登録日: 2017-10-03 22:27