パティオを囲む風の家

●設計事例の所在地: 
大阪府箕面市
●面積(坪): 
37.59
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

前面に2tユニックトラックと乗用車を駐車するため、全体にセットバックさせ車両の長さの違いを、板壁をRにデザインすることで対応しています。
突き出した庇は当初植え込みと自転車置場の予定でしたが、現在はガレージとして使用しています。
黄色のアクセントカラーは完成してからポイントとして塗ってもらいました。今では近所の子供たちが黄色のかっこいい家と言って通るらしいです。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

実家の家業を継いだご依頼主の弟さんの2tユニック車と資材を入れる倉庫が必要であるという、非常に特殊なご依頼の3社コンペでした。
またご趣味の拳法で3Mのこん棒で突きの練習をするスペースや薪ストーブが欲しいというご希望でした。

依頼者があなたに依頼した決め手: 

他社はプレハブ倉庫を庭に置くだけだったのに、当社だけが資材倉庫や2tユニックの置場を自然に家に取り込むなど細部に渡るまで考えられていたそうです。私が非常に良くお二人の希望を聞き出していくので、ありがたい事に奥様は当初より気に入っていただいていたらしいです。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

3Mのこん棒を扱える様玄関ホールを昔の通り土間のように長く取り、リビングからパティオを通して見えるようにした。
気候の良いときは全開放の窓を開け7Mの大空間へ変化する。内装は全てご主人のお父様の出所である高知県産材を使い、コストと仕上りを考えて高知の大工を泊まらせて施工した。
薪ストーブだけで部屋中が暖房できるよう中心の吹き抜けに配し、煙突周りと床はタイル張りとした。
納戸は湿気対策として壁一面杉板を張り巡らした。

依頼者の声: 

以降ご依頼主様のお手紙です。

中原先生に家を設計していただき、無事に家が建って、住みはじめて一年がたちました。 こんなすてきな家に住めて、毎日感激感謝です。

また、家の中に薪ストーブがあり、寒い冬は家全体が暖かくなり、とても快適に過ごすことができ幸せです。
そして、いい天気の日は、窓をあけると風が家の中をすーっと気持ちよく通るので気分がいいです。
薪ストーブでピザを焼いて食べてみましたが、自分で作ってこんなにおいしくできるのかとまた感動しました。 こんな暮らしができるなんて、主人が薪ストーブを使いたいと言わないかぎり実現しなかったことだと思います。
それから、主人と私の意見を中原先生がうまくとりいれて下さったから素敵な家ができた事に感謝しています。

思えば、材料の段階より厳選して頂き、山へ見学に行ったり、製材所の方々に行程や木材の話を聞かせて頂いたり(あの時いただいたBBQの味を忘れられません。)本当に家を「買う」のではなく『建てる』という経験をさせて頂いたこともありがたい事でした。 
最近、材料の流通が変わったとお聞きし、良縁に恵まれたと感謝しております。 
又、高知の木を高知の職人さん達に組んで頂くという「高知づくし」も建てている段階より非常にうれしく同時に頼もしくもありました。

今後とも住んでいく上で、子供も大きくなったりと生活環境は変わっていくと思いますので、その時はどうぞよろしくお願いします。

P.S. また、薪ストーブの季節がやって参りました。
   一度、先生も遊びにいらして下さい。
   ピザを焼いてお待ちしております。

その他の画像: 

珪藻土の土間玄関は中に自転車を入れれるほど広く、家に入ると木のいい香りがする。
象徴的な柱はケヤキ、束石は自然石、壁は漆喰、天井は杉の網代で仕上げてある。

吹き抜けに伸びる薪ストーブ。右手はオーダーのシンクを仕込んだアイランドキッチン、天板はヒノキの集成材。
梁は杉の構造体をそのままあらわしにして見せている。

アイランドキッチンの中にはミーレの食器洗浄機。リビングの照明は2色の和紙を使った当社製作のシェードカバー。柔らかな光を落とし込んでいる。

シンボルツリーとしてパティオに植えた白樫の木は隣地からの目隠しとしての用途もある。

ロフトから見下ろした納戸。杉の小巾板が湿気を吸い込み荷物の状態を維持する。

設計者

ユーザー 有限会社 設計処草庵 中原 賢二 の写真
オフライン
Last seen: 9ヶ月 3週 前
登録日: 2012-07-24 10:27