音楽ホールのような木の家

●設計事例の所在地: 
静岡県伊東市
●面積(坪): 
33.9
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

静岡県伊東市の別荘地の一画の敷地に建てられた
終の棲家の平屋の木の家です。
敷地内の樹木をなるべく残し、周辺環境に溶け込み
自然と一体となった暮らしを営むことができます。

夏の日差しを遮り、冬の陽だまりを取り込むように庇の出を調整し
屋根の一番上に、招き屋根の換気窓を設けています。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

都内のコーポラティブマンションの設計に細部までこだわって
設計したにもかかわらず、上階の排水音に悩まされていました。

落ち着いた暮らしを求め、伊豆の別荘地の土地に終の棲家を
自然素材で、自然環境を活かして建てたいというご要望から出発しました。

・敷地に残された樹木をなるべく切らずに、活かすこと
・太陽光を積極的に取り込むこと
・の広さを活かして、伸び伸びした平屋とすること
・現在のマンションの機能性の良さを引き継ぐこと
・遠隔地と言うこともあり、施工の信頼性を確認出来ること
・別荘地価格にならないように、コストの適正管理を行うこと

その他、一緒に敷地を散策しながら、敷地環境の細部、住宅地環境
気になる住宅事例などを確認しながら、暮らしのイメージを共有しました。

依頼者があなたに依頼した決め手: 

・自然素材のメリット・デメリット適材適所にうまく利用できる実績がある
・優良な国産材を木材産地から、直接流通マージンを省いて購入できる
・地震の多発地域である伊豆地域に対応して、平屋でも許容応力度構造計算を行い
 基礎、木組みの構造信頼性が高い設計である

特に、奥様から
「コーポラティブハウスでの設計経験をよく聞いて貰い、私たちの生活の
細部まで認めて、丁寧に確認してくれそうなところに安心しました」
というお言葉を頂きました。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

敷地の中のどこに、どの方位で、木の家を最適に配置するかは
最後まで、お施主さんと現場で確認を重ねました。

お施主さんとの打ち合わせの中で、合唱を趣味とされる奥様が漏らされた
「音楽ホールのようなイメージがいいかな・・・」という言葉にヒントを得て
ダイナミックな登り梁の木組みの構成を提案しました。

廊下のない、オープンな、ワンルームのダイナミックなリビング、ダイニングは
庭と一体となって、自然と一体となった暮らしを実現しました。

自然換気の招き屋根のハイサイドライトを設けることで夏過ごしやすく
ご要望の薪ストーブをリビングの一角に設けることで
冬は薪ストーブ1台で全館暖房が実現できました。

大きな、タピスタリーや絵画、オーディオなどのセッティングも
緻密にデザインして、おおらかで、かつ、落ち着いた生活感を
演出しています。

窓からの採光が厳しい時は、トップライトを設け
小窓からの小さな景色も楽しめるようにしました。

依頼者の声: 

「設計段階で様々にシミュレーションしたことが、実際の生活で
ほとんどその通りに再現されて、その満足感と共に、充実した
暮らしを送っています」とは奥様。

「オーディオの音響が想定以上に良かったのは、うれしい誤算ですかね」
と、オーディオマニアのご主人。

「のんびりして、暇だと思われるかもしれませんが
庭での家庭菜園、樹木の手入れ、趣味の合唱など、結構忙しいんですよ」
と、笑いながらのコメントです。

その他の画像: 

小さな吹き抜けのある玄関はできるだけコンパクトにしました。

玄関からリビングには入ると、登り梁とハイサイドライトからの光
伸びやかなリビングが目に飛び込んできます。

ダイニングから書斎、玄関方向を見ると、水平に広がる空間が
気持ちを穏やかにしてくれます。

リビングの北側の書斎は、一続きの空間でありながら
奥まった空間でもあります。

書斎には造り付けの本棚と机。窓からは木々の緑が溢れます。

来客用の和室は、天井がピラミッドのような形で
手漉き和紙でおおわれて、気持ちよく休むことができます。

キッチンはあくまで実用性第一です。
窓が少ないためトップライトから採光しています。

浴室は温泉を引き、青森ヒバのインテリアとメンテナンスフリーの
特殊塗装の木のお風呂です。
窓を絞り、トップライトの明かりで殺菌効果を得ています。

設計者

ユーザー (株)木の家づくりネットワーク一級建築士事務所 山中文彦 の写真
オフライン
Last seen: 1年 5ヶ月 前
登録日: 2012-07-24 10:12