木で包まれた温泉を楽しむ家
のんびり週末、季節を楽しむ別荘として計画されました。
余裕のある敷地に鳥が羽ばたくようなイメージで
周辺の自然環境と一体となる板張りの外壁しつつも
一部飛び出したように持ち上げられたリビングの屋根が
アクセントになっています。
・余裕のある敷地をどのように活かしたら良いのか
・目立つようなデザインにする必要はないが
都会の喧騒から離れて、気持ちが解放されるような
伸び伸びした時間を過ごしたい
・普通の住宅のイメージでは物足りない
・アレルギーの懸念がるので、本物の自然素材でつくりたい
・遠隔地なので、施工を確実に監理できるか不安
・コストも別荘地価格にならないようにしたい
等の、不安とご要望がありました。
・無垢の木で家全体を包むようにつくる「新・あぜくらの家」
と言う、建材を一切使わないつくり方に安心感があった
・無垢の木をふんだんに使っても、さほどコストアップにならない
・木材産地から直接購入できるのと大工さんなどの職人が
最初から確認できて、設計段階から見通しが立てやすかった
・木を活かした設計経験が豊富で、提案に期待が持てそうだった
「遠いところを何度も足を運んでくれて、一緒に建物のイメージを
確認していくうちに、現実感が湧いてきました」と
最初の企画段階での感想を後ほど頂きました。
伸びやかな敷地を活かして、どのように外観は控えめで
中に入ると、都会の喧騒を一瞬で忘れるような空間が
提案できるかに腐心しました。
東京からたどり着いたら、両手を広げたように迎えてくれる
ウィングを伸びやかに伸ばしたシンプルな切妻屋根。
その中央にリビングの屋根がピラミッドの様にチョンと
乗っかることで、中に入ることの期待感を暗示させてくれます。
アトピーなどアレルギー症状を考慮して、合板などの建材を使わず
杉の無垢の柱、梁、厚板で、家全体を包む木の家としました。
低めに抑えられた玄関からリビングに入ると、1.5階分屋根が
持ち上げられた空間がダイナミックに迎えてくれます。
二つのウィングは、寝室、個室、来客用の部屋となり
奥の浴室は4.5畳の広さがあり、温泉を満喫できます。
冬は床暖房により、足元が温かく、天井高さによる暖房の
問題を解消しています。
「庭とウッドデッキ、リビングが一つに繋がり、
別世界に来たようでもあり、懐かしくもあり
のんびりした暮らしを楽しめます」とご評価いただきました。
玄関はシンプルに、屋根の形がそのまま見えます。
リビングに入ると、1.5階分の屋根の形そのままが見えます。
南側の木製サッシの窓からの光があふれ、家全体が
木で包まれていることが分かります。
ピラミッドのような屋根は、4本の登り梁がトップで交わり
かぼちゃ束と言う小さな柱で一体化しています。
ダイニング、キッチンは奥の平屋部分にあり
コンパクトにまとめられています。
排気窓が一番上にあります。
ダイニングコーナーで食事をしながら、リビングの空間と
庭を望むことができます。
個室は本棚、机を造り付け、静かに外を眺めながら読書ができます。
来客用の和室は漆喰と障子、杉、畳のシンプルな構成。
南側のリビングの角の反対側の角を利用した浴室です。
木の浴槽と隅木と言う登り梁がそのまま見える
温泉施設のような造りです。
アプローチもなるべく自然の石で、つくり込まないように
しています。
来客様も含めて2台分のカースペースと駐輪スペースです。
ウッドデッキは広めにして、バーベキューも楽しめます。