崖地に建つ家の設計例
既に保有していた土地は、住宅街にありながら「傾斜地」というより
「崖地」と形容するのが相応しいような、非常に難しい物件でした。
この土地に家を建てるのは容易ではないだろうとは思っていましたが、
実際に相談を始めてみると設計の面でも資金の面でも
想像を超えた難しさであることが分かりました。
建築する敷地の設計の難易度が高く、
愛知県の多くの会社に断られたこと。
最初に、設計の仕事をしている知人に土地を見て貰いました。
「なかなかこの仕事を請ける工務店はないんじゃないか」と言われました。
次にハウジングセンターを尋ね、
大手ハウスメーカーの営業の方にも見て頂きました。
「うちではちょっと無理ですね」と言われました。
その次に、別のハウスメーカーにも相談に行きました。
そこではかなり親身に話を聞いて頂いたのですが、
見積もり金額が全く予算と合いませんでした。
諦めずにネットで「傾斜地、設計」などで検索を続け、
サイトを隅々まで拝見し、
多くの傾斜地住宅を手がけられた実績もさることながら、
「あきらめかけていた建替え、先に進まない新築計画など、
親身に相談の上解決していきます。」
という一文に非常に勇気づけられ、
ご相談させて頂くことに決めました。
早速、信太さんにアポイントを頂き、
その日のうちに土地にご案内しました。
先生も土地を見るなりさすがに少し困ったような顔をされましたが、
「でも素晴らしい景色ですね」と仰って下さいました。
この土地を見て、
そのように褒めてくれたのは信太さんだけだったので、
本当に嬉しかったです。
敷地が急斜面だったため、構造計算やプラン、
確認申請にも多くの労力を使いました。
現場では基礎を作るまでに、岩盤をけずるなど
作業する人が歩けるまで時間を要しました。
窓からの景色想像以上になりました。
まず挙げられるのは「デザイン」と「機能性」と
「予算」のバランスの取り方が上手な点です。
世にデザイナーズ住宅はたくさんありますが、
驚くような建築費がかかっていたり、
デザイン性を優先するあまり機能面で
残念な事になっていたりする住宅も多いようです。
信太先生は、色々な知恵で「費用をかけずにスタイリッシュに仕上げる工夫」
「どこをデザイン重視にして、どこを機能重視にすれば満足度が高いか」
を一緒に考えて下さいました。
カッコ良いと自己満足できる家、
暑さ寒さに強い住みよい家、
暮らしに便利な工夫のある家、
健康的で癒しを感じられる家、
災害に強い頑丈な家、等々、
それらを限られた予算の中で建て主好みのブレンドへ調整してもらえます。
建築が始まり監理の段階になると、
住宅建築のベテランとしての嗅覚が様々な場面で本当に頼りになりました。
計画通りには進めなくなった際も、
豊富な経験から「これは以前ダメだったから」
「これは上手くいった実績がある」と自信を持って対処してもらえました。
それから西薗先生に構造計算を丁寧に行って頂いた事も、
崖地に居を構える上で大変な安心となりました。