大蓮の家
東大阪の新築住宅。家族で同じ時間を同じ空間で過ごすことができるように、リビング、ダイニング、小上がり、読書スペース、階段、水廻。一階二階を繋げて大きな空間になりました。一体で暖房ができるように断熱性能を高くしたり、一階の天井高さを抑えて一、二階の繋がりに配慮しました。
構造材は吉野の杉を使い、Jパネルなどの国産材を採用し、木の香る心地いい空間になりました。
国産材の無垢の木の家にこだわりたい。また耐震性・断熱性能は高いレベルにしたい。ただ、お若いご夫妻でローンの金額はできるだけ抑えたい。ということで希望の性能に対してのご予算が少ない中での設計の提案をすることとなりました。
国産材を製材所から直接仕入れるなどすることを得意としており、国産の無垢の家を比較的リーズナブルに建築できること。また温熱の計算やシミュレーションが得意で大阪という土地に合わせた断熱性能を提案できたことだと思います。
とにかく建物の仕様をシンプルにし、納まりもできるだけ明快にすることを心がけました。特に、二階の床材は国産杉三層パネル「Jパネル」を採用しましたが、これを一階の天井にあらわしで使うと同時に二階の床の仕上げにしました。要は厚板一枚で二階の床ができています。防音性が無い事は承知ですが、住まい手との打ち合わせを重ねて決定しています。電気配線や細かい納まりに工夫はいりましたが、結果的に材料・手間を減らせています。こういった積み重ねでコストを抑え、目標の金額で収めることができました。
家に入ると木のいい匂いがします。工業製品である建材の使用をできるだけ抑え、無垢材の分量を高く保つことができたからだと思います。
また断熱性能は非常に高く、冬はエアコンをしていなくても窓からの光があれば暖かく過ごすことができました。薪ストーブの導入も考えていましたが、無くてもいいくらいかもしれません。
夏場は流石にエアコンを使いますが、一台のエアコンで家のほとんどの範囲を空調しています。
断熱性が高いため認定低炭素住宅も取得でき、税金的にも負担を減らすことができました。
今年は大阪府の地震がありました。この地域も比較的大きく揺れましたが建物はさほど揺れなかったように思います。耐震性が高いのだなと肌で感じました。
建物外観