ミモザの木から発想した家
敷地に黄色の花の咲くミモザの木を育てたい。
そのミモザの木にあう家をつくりたい。
まずミモザの木から発想して家づくりを始めました。
緑に囲まれて暮らしたいという建て主であるM氏の要望に応えるため、接道する西側はアプローチを庭とし、この庭と建物内部が一体となるよう計画しました。
モダンなだけのスタイルは飽きてしまったという建て主の思いもあり、ルイス・バラカン風なストイックな表情をつくり、木や鉄が風化した時に生まれる表情を大切に設計しました。
http://www.yumira.com/SpaceFiles/03work/01juutaku/18M-house/18M-house.html
建て主のM氏はこの土地を購入しました。そして、設計に先立って設計者に伝える文章を示されました。
□家づくりのテーマ
黄色い花の咲くミモザの木のある家
その木から発想する、家づくりのイメージをスタートさせたい。
□建築家に期待すること
ともに理解、共感できること。良い意味で裏切った意外性のある提案をしてもらいたい。
□不快なもの
・新しいつるつるピカピ カした家
・ワントーンで統一され ているもの。
・民芸風な家具
□好きなもの
・ウッドデッキ
・植物、水、石
・古材や古いレンガ
・骨董や古い家具
□幸せな瞬間
よく晴れた朝、窓を開け放して、清清しい空気を感じる時。
M氏の示された要望はとてもわかりやすく、設計者をやる気にさせてくれました。
建物が完成してM氏は庭づくりを楽しんでいる様子です。庭に植えたミモザの木が育ち、黄色い花を咲かせた時がこの建物の最終的な完成です。
アプローチ 完成後
庭の植物が育っています。建て主の愛情で豊かな緑になっています。
ルーフテラス
床、壁、天井は思いきってミモザの花の色に似た黄色にしました。ここに座ると周辺の建物がカットされ空だけが見える不思議な空間が出来ました。
建て主の方は思いっきり洗濯したシーツなどをここでほしたら気持ちがいいと言っておられました。植物の水やりなどのため給水口をつけ、軒下に何物干竿を吊るしたりするためフック金物をつけました。
玄関-階段-2階の部屋
階段床をあえて白色に塗装しました。汚れを気にしたのですが建て主の方の希望でした。新鮮な感じに仕上がりました。
壁に柱の廃材を再利用しました。
柱を3分割し、穴は埋めています。重厚な感じになりました。
2階の台所食事室
キッチン前の床のテラコッタタイルにはウレタンを塗装し汚れづらくしました。
大黒柱にアメリカのチークの再利用材をつかいました。建て主の方と探してみつけた柱です。とてもしっかりしています。
2階の食事室
室内壁はホタテ貝殻の左官仕上です。現場で建て主立ち会いのもと塗り方の実験をしました。木ゴテでざっくりとした感じに仕上げることにしました。
外につながるテラス
簾をかけて気持ちよく使われています。
居間
壁一面に大きな本棚をつくりました。
造り付けの浴室
ガラスと白いタイルで清潔感ある明るい浴室にしました。天井はヒノキ板をつかいました。
寝室
壁天井に木材を使用し落ち着いた空間としました。 天井は構造材の梁を意匠として現すことにしました。