カフェ兼用 2世帯住宅
お母様と娘さんご夫婦のための2世帯住宅です。
1階にはカフェ開店の予定もある、と伺って一部カフェとしても使用できる広いリビングに
しています。
お建て替えのため、思い出のある柿の木やお父様が作られた小屋やお庭が、お母様の
お部屋から見えるように配置しました。
1階はお母様のためのスペースに。昔の建具をそのまま使用した所もあります。
2階は娘さんご夫婦の部屋。洗面所、納戸、書斎、リビングキッチン、寝室など、余裕の
間取りです。
洗面台、キッチン、すべて大工造作によるオリジナルです。
「母と私たち夫婦が程よい距離感で暮らせること。」
「母のために前の家の思い出をできるだけ残したい。」
「将来、カフェができるようにしたい。」
「好きなカフェの雰囲気を共有したり、打ち合わせをじっくりしたい。」
ご希望の内装や外観など、お施主様のご希望をたくさん伺いました。
女性のお施主様でしたので、わたしが女性建築家なのが、とても話しやすかった、とのこと。
また、事例を見て、ご家族の趣味、嗜好が共有できる、と感じたからとお話くださいました。
構造には埼玉県産の杉の木を使用しています。
腕の良い工務店と、良材を扱う材木店とが協力して、無垢の木を生かした美しい内装になりました。
無垢の木とオリジナルの木製建具、漆喰、ガラス、タイルなど、お施主様と細かい打ち合わせの後に、決定しています。
間取りプランを優先するのではなく、ご家族がどのような暮らし方をしたいのか、じっくり
伺うことで、配置が決まりました。
また、暖房のシステム、薪ストーブの設置など、ご高齢のお母様に配慮して設置しました。
気にいったキッチンや洗面台がないので、オリジナルで大工に造作で作成してもらいました。
価格はシステムキッチンと変わりありません。
設計事務所を訪ねるのはとてもハードルが高く、迷いました。
でも、初めて電話で話したときの印象が感じがよく、安心して事務所を
訪ねることができました。
気になっているカフェや、小物、インテリアの写真をファイルにして持参
したところ、とても共感してもらえたので、この方に依頼したいと思いました。
私たち親子が好きなカフェが栃木県の益子にあったのですが、わざわざ見に
行ってくださって、雰囲気をつかんでもらえたことは何より嬉しかったことです。
2011年の地震が来た後、工務店もすぐに点検に来てくれたのでホッとしました。
10年以上経った今でも年賀状のやり取りを続けています。