旅館 心乃間間

●設計事例の所在地: 
熊本県南阿蘇
●面積(坪): 
240坪
●建物の種類(大分類): 
商業施設
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

阿蘇山の景観眺望を確保しながら、阿蘇の草原を再現しつつ、視線の制御による、旅館での滞在の記憶(印象)に奥行を与えるためのランドスケープデザインです。 ゆるやかに上がり下がりする動線により、脱日常の感覚へと気分が切り替わっていくような仕掛けをちりばめています。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

熊本駅前開発に伴う移転新築で、駅前ホテルから個人旅行向けの宿への転換でもある計画でした。
周囲の山林によって、余計な景観をカットでき、南からの順光で阿蘇山を望める絶景の地に、旅館として使われていた、昭和初期の木造建築のパーツを生かしながら、半離れ形式の10室の旅館を、いわゆる「渋好み」でつくってほしいという要望を基に、「時間が切り替わる」仕掛けを随所に設けた構成を、建築だけではなくランドスケープ共に計画しました。
熊本市内からは40分、熊本空港からは10分ほどで、もう、南阿蘇の外輪山に登ってきます。
車を降り、景色が見えない状態から、ゆるやかな丘をゆっくりと登ってレセプションのある2階へアプローチします。
玄関からクランクして中へ入り、更に数段階段を降りてはじめて景色が広がり、客室や食事処へは、更に吹抜けの階段をまわり降りて向かいます。
そこから客室へは、芝山によって制限された景観の中央通路から、その芝山の切れ目を抜けてアプローチする、やや長い動線としており、視点や視界を切り替え、到着してから客室に至るまでに数多くの場面を体験することにより、時間が切り替わり、旅館を体験してみると、言葉になることのない奥行きを、その旅の思い出の中に知らぬ間にもたらすのではないかと思います。

その他の画像: 

設計者

ユーザー 大森創太郎建築事務所 大森創太郎 の写真
オフライン
Last seen: 3年 6ヶ月 前
登録日: 2012-07-24 10:27