外車ディーラーショールーム
![](https://kaiin.kentikusi.jp/sites/default/files/styles/w700/public/%E7%AB%A3%E5%B7%A5%E5%BE%8C.jpg?itok=PW8z25Ud)
横浜横須賀道路のIC対面に位置する外国産車販売店舗のショールームです。
道路に面する位置に展示・商談用のショールームを、奥側に車検・整備用の工場を計画しております。
1)ブランドを維持するためのCIによる要請と、それによるコストの高騰をどのように制御していくか。
2)用途地域の制限下でどのようにして最大限の整備・駐車スペースを確保していくか。
3)勾配のある北側前面道路と、その道路と敷地との段差(最大1.3m)をどのように解消するか。
4)敷地内に生じている傾斜と、南側接道部分に生じている崖地を計画上どのように利用するか。
弊社にとって長年のお客様からのご依頼でした。
長年のお付き合いの中で「法規」「敷地」の難条件を数多くクリアした実績、カーディーラーのショールーム・整備工場の設計に実績、ご要望に対してのリアクションや回答が常にスピーディーだった実績・・・これらが引き続きの依頼につながったのだと思っております。
1)ブランドを維持するためのCIによる設計上の要請と、それによるコストの高騰をどのように制御していくか。
CIの基準を満たさなくては、ブランドの出店はできません。
その中で「CIのコンセプト」を最大限尊重したうえで、「お客様の目には触れないバックヤード側の仕様変更」「要望のデザインを満たすことを前提にしたコストダウン」について、お客様と二人三脚でCI担当者との粘り強い交渉を行いました。
CI基準外の設計を認めていただいたのは30/70(採用/却下)といったところでしょうか?(苦笑)
2)用途地域の制限下でどのようにして最大限の整備・駐車スペースを確保していくか。
建築基準法において明確に定義されていない室用途については、事前の法的相談を密に行い、資料を提供し意見を得ることで計画を進めていきました。設計者及びお施主様に都合のいい結論に導くことはあえて意識せず、丁寧に説明と打合せを重ねたことで審査側担当者の信頼も得ることができたと感じております。
3)勾配のある北側前面道路と、その道路と敷地との段差(最大1.3m)をどのように解消するか。
4)敷地内に生じている傾斜と、南側接道部分に生じている崖地を計画上どのように利用するか。
大がかりな造成工事によるコストアップや開発行為の許可申請による申請期間の大幅な延長を避けるため、「建築工事範囲」という箱を敷地のどの範囲に埋め込むか?というイメージで配置・断面を計画しました。
この点については、「建築工事範囲の定義づけ」について、やはり審査側の担当者と密な打合せを行った結果「開発許可申請不要」という結論を得ることができました。
また、建物周辺地盤の高低差が非常に大きく(平均地盤が4種類生じました)、建物外部が地盤面下となる範囲も広がりました。
そこからの漏水については「必ずある」ことを前提に排水経路を確保したうえで、壁際であれば水が流れても支障がない室を配置する計画としました。
![](https://kaiin.kentikusi.jp/sites/default/files/styles/w700/public/%E7%9D%80%E5%B7%A5%E5%89%8D-1.jpg?itok=ggmAGmwa)
着工前の敷地状況です。
前面道路奥側に崖と南側道路が視認できます。
着工前の敷地状況です。
前面道路の勾配と敷地との段差が確認できます。
着工前の敷地状況です。
南側の接道から敷地を見下ろした際の状況です。
![](https://kaiin.kentikusi.jp/sites/default/files/styles/w700/public/OQ1108_a_004.jpg?itok=-POP6cCu)
竣工後の写真です。
前面道路から見た建物フロアについては既存の敷地レベルより下げて計画し、車いす使用者用スロープの緩やかな勾配を確保しております。
![](https://kaiin.kentikusi.jp/sites/default/files/styles/w700/public/OQ1108_a_017.jpg?itok=vLwMRyFZ)
整備工場及び車検ラインです。
外壁面裏は敷地地盤面下ですので、壁に沿って排水溝を設置し、躯体打ち継ぎ部分には止水剤を3重に設置しております。
![](https://kaiin.kentikusi.jp/sites/default/files/styles/w700/public/OQ1108_a_020.jpg?itok=fcWl2ITO)
南側道路から見た竣工後の写真です。
従業員様用の室を計画した2階から、道路へアクセスできる高さに屋根・2階床面を計画しております。
2階の外壁材はメインファサードに採用されているアルミハニカムパネルではなく、ALCにアルミモールディングを張り付けた比較的安価な納まりとしています。
![](https://kaiin.kentikusi.jp/sites/default/files/styles/w700/public/OQ1108_a_006.jpg?itok=MSzyOnhE)
![](https://kaiin.kentikusi.jp/sites/default/files/styles/w700/public/OQ1108_a_007.jpg?itok=zenDdKZE)
ブランドCIのコンセプトを守るため、また施工業者にその意図を間違いなく伝えるため、当工事の詳細図の枚数は一般的な店舗の5倍!
図面の意図を正確に伝えるためにも現場事務所ではサッシ、金属、空調、電気といった各担当者を一同に集めての打合せを念入りに行いました。