2世帯で暮らす古民家再生住宅
この地方特有の総2階建ての蚕室つくりの古民家をリフォーム(再生工事)しました。
全国規模の大手のリフォーム会社でと考えていたが、こちらの希望をなかなか聞いてもらえない、どんな建物を作らされるのかとても不安だった。
工務店から独立したフリーな建築家を探していたら、数々の古民家再生から旅館、飲食店など素敵な建物を多く手掛けてきた建築家だと感じた。合板やクロスなど化学物質などは使わなという住まい手への健康や安全を第一に考えこだわりの強い建築家だと思ったから。
古民家は土壁でできていてそれだけでも元祖自然派住宅。しかし、土壁の古民家はとても寒いので外側に断熱層をつくり、また屋根裏にもたんまり断熱材を仕込みました。2階を若夫婦の家族室として見晴らしと住まいやすさを重視して計画に取り組みました。
土壁というのは呼吸もするし、熱容量のとても大きい素材で、温まったらなかなか冷えないという利点があります。また伝統的な木組の家はしなやかでダイナミックな架構が見ていて飽きない。今回2階に生活空間ということで一階の柱を増やしたりして構造強度をあげ、建物が大きいため「暗い部屋」になりがちですが、太陽光をいかに隅々にとどけさせるか工夫をこらし、昼間でも電気をつけなくてはならないというようなナンセンスな設計にはならないようにして快適さを追求しました。子供たちが3人いてまだ小さいですが、大きな部屋で開放的な暮らしは子供たちのストレスをなくし、のびのびと育ってくれると思います。
大手のリフォーム会社ではこんな風な作りには絶対ならなかっただろうと思います。
玄関
対面式キッチン。配管と排気の計画が難しい。
キッチン側からダイニングリビングを眺める
縦横の梁組は有機的で力強い
照明もきれい
押入だったけど子供たちのベッドにしてまるでゲストハウスのような楽しさ。
一段あがった寝室
廻れる廊下と階段
光を取り入れる工夫が大事