丁寧に暮らす家(リノベーション)
一日を長く過ごすリビングダイニングに該当するスペースを上質で、落ち着きのある空間にするために家具や照明器具などの選択にも配慮しています。内障子は全て壁の中に引き込めるので、開放したい時には大きな窓だけの気持ちい空間になります。
お子様が独立されて数年、ご夫婦お二人で生活される住まいのリノベーションです。
住まい手は、これからの人生を「丁寧に暮らしたい」と話されました。その想いを受けて、先ずは落ち着きある質の高い空間創りを目指しました。そしてプランの余白部分に、こもりたくなる居場所を設けました。この余白の部分は結果的に、奥様の一番のお気に入りスペースになりました。居場所ごとに空間の見え方、感じ方がユニークに変化します。これは素材の使い方や天井高さを切り替え、開口部の形状や位置、大きさなどを操作することで実現しています。
私が書いていたブログやメルマガを1年ほど読んで頂き、とても面白いと思われ、一度話を聞きに行ってみようと言う事で事務所にいらっしゃいました。
話を聞いて頂いた上で、次のステップでプランを作成し、概算見積もりを見て頂いた上で、決めて頂きました。
この家で長い時間を過ごす場所を中心に工事を行いました。これらの写真で見えている範囲がほぼ全てと言っても過言ではありません。空間の質を高め、温熱改修も行いました。天井高さをやや抑え気味に設定し、用いる素材もこだわりました。
足腰が衰えて、将来仮に1階で生活することになっても、そこで生活が完結できることが理想です。
そこで参考にしたのがホテルのような雰囲気です。部屋のどこに居ても非日常的ではあるけども、何故か落ち着く。プランの余白に設けた小上がりの出入り口を丸くすることで、そこにこもる感じが生まれます。自然とここに居る事が心地いい場所でもあります。
壁四面、どちらを向いても見える景色が違うため、コンパクトなスペースでも飽きることはありません。
リビングダイニングスペース
杉のフローリングにレッドシダーの天井板、素材の持つ上品さと個性が空間を演出します。
リビングダイニングスペース
キッチンカウンターの足元から漏れる間接照明も空間演出に欠かせない存在です。
リビングスペース
将来、ベッドを置くことになった場合の事も考えて、腰壁を板貼りにして防汚や耐久性対策としています。
小上がり
プランの余白部分に設けた1畳に満たない小上がりスペースは、奥様のお気に入りスペースとなっています。
ダイニングテーブル越しの小上がり
ダイニングテーブルは奥行60cmの特殊サイズゆえに、製作して頂きました。
ナイトテーブル
将来ベッドを置いた時のためにスタンドライトを置いているナイトテーブルも製作しています。
玄関越しのリビング
玄関ホールは一部だけ工事対象範囲でした。そこに設けた丸いニッチ、その横のドアをスライドさせると、その先に広がるのが上質な空間です。