二重麻の葉格子の料亭
●設計事例の所在地:
浙江省杭州市
●面積(坪):
70坪
●建物の種類(大分類):
商業施設
●メインの画像:
●メイン画像の説明文:
料亭の玄関。正面にアイキャッチとなる二重の麻の葉格子を設置しています。麻の葉模様をひし形と正三角形の二つのレイヤーに分解、再構成しています。正面中央に麻の葉模様が浮かび上がり、周縁に向かうにつれパターンがずれていきます。右側には下駄箱を設置し、扉には名栗加工を施して照明を当て、立体感のある表情を作り出しています。
●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
杭州西湖湖畔の三階建古民家全体を日本食の飲食店へと改修した。落ち着いた雰囲気の2〜3階は独立の入り口を持つ日本食の料亭へと改修した。
料亭の玄関は天井の低い二階に計画となるため、アイキャッチとなる壁面を重点的にデザインした。玄関正面の透かし格子は伝統的な麻の葉模様を菱形と正三角形の2レイヤーに分割、再構成している。認識者は正面から見たとき視覚の中心に麻の葉を認識し、周縁につれパターンがずれていく。下足箱には名栗加工を施し美しい陰影の表情をつけた。
二階客席の半分は個室となり、仕切りは太鼓張りの障子とし、二重格子のシンプルな背景となるようにしている。残りの半分はホール席となり、テーブル後ろに二重の麻の葉格子を設置した。開口部は採光を確保しつつ外部の現実的な風景を遮り、かつベランダの植栽を感じられるように雪見障子となっている。
三階は全て個室を配置して落ち着いたフロアとした。屋根裏の高い天井高さを活かすように、床の間の違い棚を高い天井までダイナミックに展開し、間接照明を仕込んだ。これは修学院離宮の霞棚の参照である。
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