工場をリノベーションしたオフィス

●設計事例の所在地: 
北京市
●面積(坪): 
1000坪以上
●建物の種類(大分類): 
その他
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

北京市郊外の鉄筋コンクリート造の工場をオフィスへリノベーションしました。高い天井高を生かして、階段状に高さが異なるスキップフロアのオフィスを作り、人の動きにメリハリをつけ、変化に富むオフィス空間を目指しました。また、高さが変わることで視線が通りやすくなり、部門間のコミュニケーションが増加することを考えました。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

北京市郊外にある工場ビル を什器メーカーのオフィス兼工場へとコンバージョンする計画。1、2階を工場、3階部をクライアント企業の製品展示スペースとし、4階部がオフィスとなる。3階と4階は一部の既存床を撤去して吹抜けで繋ぎ、梁下5.5mの高い天井高を活かしたスキップフロアのオフィススペースとすることで、立体的なオフィスランドスケープを生み出す事を目指した。

要求されたプログラムは、 大会議室、小会議室、休憩スペース、執務空間、各部門責任者の個室等である。これらのうち、大会議室など公共性の高い部屋はエレベータホールに近い場所に配置し、執務空間は奥に開放的な大スペースとして配置した。オープンな執務空間にたいし、会議室等の閉じる必要のある部屋は、大空間の中に点在するヴォリーム群として扱うことにした。

オフィス階の中央に穿たれた吹き抜けには螺旋階段を設置し、3階展示スペース、4階オフィスエントランス、ロフトの休憩スペースを縦に繋いでいる。エレベータホールを出て正面に階段教室型の大会議室のヴォリームが吹抜けに接して位置している。吹抜けを挟んだ大会議室の反対側には半階高さの小会議室、その上部に休憩スペースのヴォリームが飛び出している。この小会議室の横の通路を通って執務空間に至る。執務空間はスキップフロア形式になっており、大空間に高低差を付けることで、各部門の区分けを明確にする。同時に、フラットな平面では難しい離れた部門同士の視線の交換を促す。執務空間を1.2m上がったところで大会議室の裏側に達する。階段教室型の大会議室はエレベータホールと、1.2mレベルの執務空間をつなぐ動線ともなっており、会議室未使用時にはショートカットの通路として利用する事もできる。

基本的な使用材料は壁面が白のEP塗装、床は既存部がモルタル仕上げ、かさ上げ部の床がチェッカープレートとしている。エレベータホール、階段部など一部、コールテン鋼を使用して硬質なアクセントとし、また逆にエントランスギャラリー奥には壁面緑化で柔らかみを加えている。

多様な高さが地形をつくる大空間の中に、白いヴォリュームが分散的にちりばめられる。近道もあれば抜け道もあり、隠れた場所、開放的な場所、吹抜けを見下ろすアルコーブもあれば、ロフトから全体を見晴らはすことも可能だ。まるで古い集落を散策するように、このオフィスにはシークエンシャルな楽しさがある。

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設計者

ユーザー 堤由匡建築設計工作室 堤由匡 の写真
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Last seen: 3日 2時間 前
登録日: 2020-05-09 18:24