回遊の平家

室内に陽射しを落とすため軒の高さをできる限り下げています。袖壁の斜め壁は、プライベートを守りながらも風を多く引き込むための形状となっています。
土地探しからのスタートでした。たくさんハウスメーカーやビルダーなど廻られておられ、そのためか、各会社の営業トークを聞く中で、だんだん頭が混乱されて家を建てるべきかまで悩んでおられました。その悩みの解消の相談のため当事務所にお越しになられました。
「家づくりは、与えられた条件を選ぶものでなく、自分たちにあった条件を創り出すものですよ」の最終的なアドバイスがスタートのきっかけでした。
ひな壇の土地は、どうしてもその段差が人の動きの壁になります。ご家族は、元気いいいっぱいの2人の小さなお子様がおられます。
現地視察の際、段差を怖がることなく走り回るお子様たちの姿を見ると、ご夫婦はいつも心配で気にかけておられました。そこで計画のスタートは、この土地の中でご家族みんなが安心しながらものびのび楽しんで生活できる空間構成を目指すため、まず家族の生活スタイルの中の各々の動線のリサーチから始めました。その打ち合わせを繰り返す中で出来た家は、どこにいても行き止まりのないご家族オリジナルのすまい空間が完成しました。
お施主さま曰く「家の中で生活している感覚がないくらい家族全員のびのび生活ができています。何より明るく、涼しい、心地いい家です。」とうれしいお言葉をいただきました。

アプローチ横にテラスがありその先は、家庭菜園スペースです。北側ですが陽射しが落ちるような屋根の形状になっています。飛び石設置、植栽植え込み、栗石、玉砂利敷き込みは、DIYです。

玄関ドアを開けたままでも、プライベートを確保しながらも風を引き込むように計画しました。

玄関は土足の多目的スペースです。開口は搬入口としての役割もあります。

玄関土間からリビング、コート、子供室の繋がりを望む

調理師の奥様のおいしい料理で、毎晩ご夫婦で晩酌を楽しんでおられます。キッチン奥はパントリーとなっています。手前の黒い部分は、ワークスペースです。
そこには、音響アンプやDVDデッキなどオーディオ関連を1ヵ所で収納されています。

和室は、客間にもなるスペースです。間仕切ができるようロールスクリーンが仕込まれています。

ひとつ目のコートです。日当たりの良い室内空間にするため、軒をできる限り低く抑えています。陽射しの強い夏は、コート全体にタープを掛けます。

主寝室から廊下通じて一つ目のコートを望む。また左側は二つ目のコートに面しています。

浴室は、露天風呂のような癒しの空間です。

左側は一つ目のコートで正面は二つ目のコートです。その先には主寝室が望めます。