三ツ池の蔵

●設計事例の所在地: 
神奈川県
●面積(坪): 
72.22㎡
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

ー家形の構えを四方に向けて立体的な抜けを実現したゲストハウスー

小高い丘の上に建ち、周囲を望むそれは、まるでヴィラのような佇まいをもつ。大きな敷地の一部に建つ老朽化したガレージ兼蔵であった住宅の離れを、ゲストハウスとしての機能を付加したかたちで建て替える計画。

丘の上に建つ建築として象徴的な強さをもちつつも、環境の中に溶け込むような佇まいをもつ建築を目指した。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

・大きな敷地の一部に建つ老朽化したガレージ兼蔵であった住宅の離れを、ゲストハウスとしての機能を付加したかたちで建て替える計画。
・漏水に悩まされていたため、樋のメンテナンスが必要ない建物としてほしい。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

・敷地は、北に前面道路、東に母屋、南に大きく開けた庭、西に森と、どの方角に対しても正面を向けてもいいような恵まれた環境に囲まれていることから、家形の蔵構えを四方に向けた、妻、平の区別のない立面をもつ建築としている。この4つの家形の立面をせり上げ、方形屋根が変形したような屋根形状とすることで、全体を統合することを考えた。
こうして形成された外形に対し、アプローチを母屋からの方向に正対させ、かつ施主が大事にしている木を囲うように「く」の字に歪ませる操作、また、見晴らし用のテラス・庭いじりの際の東屋的な場所・アプローチの軒下空間をつくり出すために、ボリュームを欠き取る操作を加えている。

・変形方形屋根で形態を統合するうえで、軒は出さず、屋根から壁に雨が直接伝わせる納まりとしている。

その他の画像: 

外装はガルバリウムを横葺きとして水切りのように捉え、かつ長尺の板材を使用して各立面で端から端までを1枚の板で形成してジョイントが生じないようにすることで、水路が外壁を伝う際に汚れで美観を損なわないように考慮している。

外光を取り入れた明るい玄関

2F ゲストルーム兼ワークスペース(書斎)
内部においては、周囲の良好な環境を室内に取り込むように、1階は東西方向、2階は南北方向に抜けをつくることを意図した。空間の方向性を直交させながら積み上げることで、四方への抜けを立体的に実現させている。

緑を感じられるテラス

ガレージ

設計者

ユーザー 株式会社 黒川智之建築設計事務所 黒川 智之 の写真
オフライン
Last seen: 4週 1日 前
登録日: 2016-05-24 10:51