猫と暮らす中庭のある家
農地に囲まれたのどかな風景の中に建つ平屋。
猫も人も快適に暮らせる工夫がたくさん詰まったお家です。
写真は一段低くなったピットリビング。
「お家を建てたら絶対に猫と暮らしたい!その時には猫ちゃんたちも楽しく快適に暮らせるお家にしてあげたい。」
私共にご依頼頂いた時、まだ若いご夫婦は猫を飼ってはいませんでした。
それまでに飼ったこともなかったのです。
それでもお家を建てる時には絶対猫と暮らしたいという強いお気持ちがあり、しかしながら自分たちは猫の生態、猫との暮らしについて全く知識がない、どうしたら人にも猫にも楽しく快適な家が作れるのだろう?と悩んでいらっしゃいました。
とにかく猫との暮らしに精通した建築家に依頼したい!というお気持ちでインターネットで沢山検索され、いくつかの事務所にお声がけをされたようです。
その中で、実際に会ってお話をした印象と、プランの内容で私共に決めて下さったようです。
houzzというサイトにレビューを書いて下さっていますが、そこにはこう書かれています。
『猫のための家を建てたい!と思い、ホームページを検索し、遠方より来ていただきました。実際にお会いすると、とても話しやすいお人柄で、「家を建てるのをお任せする」のではなく、「一緒に建てる」ことができると感じて、お願いしました。』
農地に囲まれたのどかな風景の中に建つ平屋です。
ここには到底書ききれないくらいの「猫と暮らす」ための工夫がたくさん詰まったお家です。
猫も遊べる中庭を囲むコの字型の間取りは、どこにいても家族の気配を感じられ、またどこにいても中庭から広い空を見渡せ開放的な気分を感じられる、自然との一体感が感じられるとても気持ちの良い空間です。
共働きでお忙しいお二人のために家事が楽になるような工夫や、お好みの明るくやわらかな雰囲気のデザインなど、コストとの兼ね合いを考えながらお施主様との対話をたくさん重ねました。
お施主様がhouzzに書いて下さったレビューから抜粋します↓
『猫と人のための面白い仕掛けが随所に散りばめられた家で、毎日楽しく過ごしています。
デザインもお願いしたとおり、明るく木の温もりが感じられる家で、曲線が好きな私の要望も、予算との兼ね合いの中叶えていただけて満足しています。
家事が楽になる家であることも重要なテーマでしたが、そちらも工夫していただき効果を実感しています。
住み始めて2年弱経ちますが、未だに「あぁ良い家を建てて良かったなぁ。」と日々実感しています。』
モルタル仕上のシンプルな玄関。写真右側のアーチ型の開口部の裏は大きなシューズクローゼットになっており、たくさんの靴や外部で使用するものなどを収納出来ます。靴を履く時に便利なベンチも造り付けています。
玄関を開けると正面には小ぶりな飾り棚が。季節の飾り付けを楽しんでいらっしゃいます。
やわらかな印象の曲面壁とそれに沿った飾り棚、アーチ型の開口部は「曲線が好き」という奥様のお好みを反映したデザイン。
リビングの扉を開くと一気に視界が広がり明るい中庭が目に飛び込んできます。
右手にあるキッチンとダイニングを抜けると広々としたリビングへ。
リビングは「ゴロゴロしたい」というご主人のご要望に応えて一段下がったピットリビングに。猫の嘔吐や子供たちの食べこぼしなどに対処しやすいよう床は部分的に外して洗えるタイルカーペットに。
壁にはテレビ台を兼ねた猫用のステップや、裏から可愛い肉球を眺められるガラスのキャットウォーク、落ち着いて寝られるおこもり部屋などを設置。
大きなキャットウォークにはお外を眺められる猫窓や研ぎ放題の巨大爪とぎ。ここは人間ものぼることが出来ます。柱にも爪とぎ用の麻縄が巻かれています。
リビングから中庭を見る
中庭には猫の五感を刺激しストレスを発散できるよう木材、芝、モルタルなど様々な素材を使用。木登りも出来るようのぼりやすい樹を選びました。もちろん脱走対策も完璧です。
広々と気持ちの良い中庭はLDKと全て繋がっており大きな窓で回遊できるため、内外をシームレスに楽しむことが出来ます。
子供部屋の前の通称「猫廊下」
中庭を眺められるキャットウォーク、キャットステップ。
猫用品をたくさん収納できるカウンター収納ではひなたぼっこも出来ます。
一段下がったモルタル床には猫のトイレを。清掃しやすく、猫砂を室内にばらまきにくくなっています。
突き当りには通りと畑を眺められる地窓が。猫ちゃんとお孫さんがいつもここから農作業を見てくれているとおじいちゃんたちも喜んで下さっています。
シンプルでナチュラルな外観。外壁はガルバリウム鋼板。
上空から中庭を見る