昭和区のお寺(本堂と庫裏)
名古屋市内に建つ真宗大谷派の本堂兼庫裏(住宅)です。
住職からは、四角い箱でいいので、お寺に見えないお寺を造ってほしいという依頼でした。
親鸞上人の、「お寺は草庵でよい」との教えからのご判断のようです。
そこで、外観は一般的な勾配屋根にサイディング張りとしました。
石碑がなければ、住宅にしか見えないと思います。
お寺に見えないお寺をどのように建てるか随分お考えでした。
1階を本堂とし、2階を庫裏(住宅)としています。
1階は極力コンパクトにまとめ、本堂と隣接して、小さなサロンを設けました。
控室、打合室的に使います。
2階は広々としたLDKを設け、廊下は家具で緩やかに仕切ってLDKと廊下をOPENに一体化しています。
この廊下から各子供室に入ります。
こうすることで、家族が必ず顔を合わせ、コミュニケーションも取りやすく、豊かな生活がおくれることを目指しました。
床は無垢のならフローリング、廊下の壁は素材感のあるタイル張りとして雰囲気をやわらげています。
住職からは
「本堂は必要な部屋がコンパクトにまとまっていて、とても使いやすい。また、お経の声も適度に反響して、皆さんからの評判も良い」とのことでした。
住宅についても、キッチンからパントリー、洗濯室への家事動線が使いやすく、夏冬の冷暖房も、あまりエアコンを使わなくても過ごしやすいとご評価いただきました。
本堂の入り口正面です。
右側に2階への階段室の入り口が見えています。
本堂の正面です。
内陣にご本尊である、阿弥陀如来像が祀ってあります。
本堂の見返しです。
黒い障子の奥がサロンとなっています。
和室です。
法事などの行事で、食事室、控室として使います。
2階のLDKです。
キッチンの奥にパントリーがあり、廊下をはさんで洗面・脱衣・洗濯室につながり、使いやすい家事動線となっています。
LDKの見返しです。
右側に廊下とを緩やかに仕切る飾り棚があります。
廊下です。
右側に子供室への入り口があり、上部は吹き抜けています。
この吹き抜けにはハイサイド窓があり、明かり取り、換気の役割をしています。