通り土間のある家

●設計事例の所在地: 
愛知県名古屋市
●面積(坪): 
64坪
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

西側前面道路から見る外観。
RC塀の高さ、位置を変えてレイヤーとすることで
圧迫感を和らげ、長い接道面に変化を持たせました。
ハイサイドから灯りがもれている部分は南北に抜ける通り土間。
玄関と勝手口を兼用とした便利な場所です。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

・老後を快適に暮らせる動線、住まい。
・畑仕事をするので、収穫後玉ねぎを保管する場所や
 梅干し等の保存食を保管する為の充分な場所が必要。
・日常生活は1階で充分足りるが、水害の可能性がある地域の為、2階を作っておきたい。
 そこは、既に独立している息子家族や孫の長期滞在の場所とする。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

老後の住まいは、動作に対してゆとりのある広さが必要ですが、
同時に生活の基本となるADL(食事、排泄、移動、入浴等)に関する各居室間の動線は長過ぎず、
シンプルに計画しておくことが大切になります。
居間食堂→寝室→水廻り→台所はぐるりと一周できる回遊動線。
寒い季節でも冷えた廊下や玄関廻りを通過することなく生活ができます。
また、今も農作業を趣味としているご家族の為に、以前のお住まいにあった広い土間はその文化を継承し、玄関を通り土間としました。
住まいの表と裏を結ぶ通過交通で、一部にそのまま台所へと通じる土間の納戸も設け、大変便利に使っていただいています。

外観は以前お住まいだった養蚕農家のイメージを残したいと思い、大きな屋根が印象的な日本従来の農家のシルエットを意識しました。

その他の画像: 

玄関ドアを正面から見る。アプローチはバリアフリーの為、片側に手すりを設けたスロープに。開いた玄関ドアの奥には、同じデザインの勝手口ドアが見える。

フルフラットのオープンキッチンからリビングダイニングを見る。複数の人数で保存品の仕込み等を行うことの多いご家族の為、カウンタートップの広いオープンなキッチンを採用。

大きな屋根の小屋裏空間を利用した2階。既に独立している息子家族や孫の長期滞在の場所として使う為、ミニキッチンを設置。屋根が下がって天井が低くなる周囲の空間は、お蔵代わりの充分な納戸として利用。

洗面所・便所一室型とし、介護が必要になる可能性にも備えた水廻り。寒暖差のある廊下に出ることなく、クロゼットを介し寝室につながる。
浴室・洗面所共に防犯性、プライバシー性の高いハイサイドライトで明るく。

設計者

ユーザー 明野設計室一級建築士事務所 明野岳司 の写真
オフライン
Last seen: 2年 1ヶ月 前
登録日: 2022-03-01 14:10