TODOKEL
店舗正面を見ています。
青色の壁が印象的な佇まいになっています。
コーヒーの焙煎からワークショップまで小さなスペースながら多様な使われ方を望まれていました。
「いろいろと設計経験をお有りとのことで、色々な目線で提案やアドバイスをくれそう」と仰っていただいた経緯があります。また設計事務所から一方的に提案を受け、よくわからないまま進めるということに懸念を持たれており、当社のオープンな設計過程と打ち合わせの仕方に興味を持って頂いていたことも印象に残っています。
神戸市灘区の閑静な住宅地に位置する約7坪のコーヒー豆の焙煎所の計画です。
小さな店舗面積ながら販売スペースや焙煎スペースに加え、ワークショップを行うという多機能性が求められました。施主との多くの対話と様々な検討を経て、現況の店舗区画内に新しく1枚の大きな壁をコの字に設けるというシンプルかつ大胆な計画としました。
この1枚の大きな壁に沿って、接客スペース・作業スペース・水回りをまとめて配し、この場でおきる行為がこの壁を背景に、時にはこの壁があるからこそ生まれるように、そして小さなスペースながら奥行き感を生むように緻密に壁本体、開口の位置・サイズを決定していきました。壁の仕上げには骨材入りの青色の刷毛塗り塗装を施すことで生まれる「粗さ」が、時間の経過の中で色や光のムラによる様々な表情をつくり出し、小さながらんどうの空間を居心地良くしてくれています。
お引き渡しの際には、「なかなか自分の理想をイメージしにくかったですが、計画の過程を聞いて一緒に決めていけたことで、イメージ以上のものができて本当に良かったです!」と言って頂き、大変嬉しかったです。
また、1ヶ月後の点検時には、「インスタグラムなどでも、青色の壁が店舗のイメージカラーとなり、反響が良かったです。それよりも開口部が多いお店ですが、この壁が外からの視線を柔らかく遮ってくれているので、焙煎中も集中できて心地良く過ごせています。」とのことでした。
入り口から奥に見通しています。
青色の壁に開けられた開口が連続することで奥行き感を演出し、奥の壁には施主様と共に決定したモカ色の塗装を施し、入り口から目線を集めるように意図しています。
焙煎スペースを見ています。
焙煎スペースを見ています。
焙煎スペースを見ています。
青色の壁がコの字に配されており、これに沿って水回りや倉庫、作業カウンターを配しています。
青色の壁に設置されたサインです。
サインも粉体塗装の仕上を施すことで、薄く石を切り出したような見え方となり、砂地の青い壁と仕上がり感を合わせています。