寿司店を営む家
旧中山道から少し入った住宅地の中の地元に愛される寿司店を一階に設け
2、3階をオーナー家族の住まいとした店舗併用住宅です。
宿場のイメージをモダンにアレンジし、店舗部分の左官仕上げ外壁と
住宅部のガルバニウム鋼板サイディング、焼杉の組み合わせで落ち着いたデザインとしています。
店舗部分は杉、桧、漆喰系左官など自然素材を活用した寛ぎの空間としました。
店舗と住宅のバランス、高齢者対応の住宅部の組み合わせをどのようにしたら良いか
全くの白紙からの検討を、率直に打ち合わせしながら上手くまとめられるかが不安に感じられていました。
以前はテナントであったため、店舗のことだけ考えればよかったが
店舗併用住宅として、使いやすい店舗と心地よい住まいが本当に可能か分からなかった。
3階建てで、店舗部分に柱や壁を少なくしつつ、安心な構造を設計できるところや
素材にこだわる寿司を活かす自然素材のデザインの提案に期待できること
また、堅牢な木造とすることでコストダウンが規定できることなど。
住宅部は2~3階部分の吹き抜けを設けることで、家族の一体感を引き出せるようにし
伸びやかなリビングとして、店舗部の仕事と生活の切り替えが
スムーズにできるようにできました。
店舗部は構造用集成材を一部に利用することで、柱の少ないワンルーム空間を設け
店舗内を板前から全て確認することが出来るようにして、客のマネージメントをしやすくした。
無垢の木材の他、漆喰系左官材の意匠を活かし、天井ルーバーで空調、照明の機械部分を隠蔽し
寛ぎの空間デザインとした。
これまでの常連客からの反応が良く、落ち着いて食事ができると好評を得ました。
板前さんからも、厨房機器、水槽などのレイアウトに無駄がなく
全てあるべきところに納まっていると喜んで貰いました。
カウンターから座敷のお客さんすべてが細部にわたって見渡せて
適格な指示、サービスが可能となり、仕事が効率的になったとの評価です。
住宅部は、大きな吹き抜けの空間で、気持ちが開放され
オンとオフの切り替えが上手くできると、想定道理とのことでした。
店舗部のエントランス
寿司店のカウンターから左官のディスプレイコーナー
カウンターから上がり座敷のテーブル席
2階のリビングにバルコニーサッシと欄間から伸びやかな光が差します。
2階のキッチンとリビング、3階の個室が一体化します。
3階の個室から2階リビング